磐船神社の御神体

日本で最初の「フライト」が、航空機の時代よりも遥か昔、神話の時代に起きていたという。それは、空の神が「天の磐船」という名の巨大な岩の船に乗って、高天原から地上へと降り立ったという伝説です。その「天の磐船」が降臨した神聖な地として、大阪府交野市に鎮座するのが磐船神社です。

旅行好きにとっては必ず参拝しなくてはいけない空の神様。この記事では、飛行機や旅を愛する人々に向けて、この神社の御祭神・饒速日命(にぎはやひのみこと)のフライト伝説、そして彼を祀る関西の聖地を結ぶ「空のネットワーク」を紹介します。

日本初のフライト?饒速日命と「天の磐船」伝説

磐船神社の鳥居
磐船神社入口鳥居

旅行好きが知るべき神様:日本初の空の旅人、饒速日命とは?

磐船神社が祀る御祭神は、天照国照彦天火明櫛玉饒速日命(あまてるくにてるひこあめのほあかりくしたまにぎはやひのみこと)、通称「饒速日命(にぎはやひのみこと)」です 。彼は、高天原からの詔(みことのり)を受けて、天の磐船に乗り、地上の河内国河上哮ヶ峯(いかるがのたけ)へと天孫降臨したと伝えられています 。この伝説から、饒速日命は古代の空の神、そして飛行機の神として、現代の航空関係者からも厚い崇敬を集めているのです 。  

磐船神社御神体の社
御神体につくられた社

この神話は、単なる降臨譚に留まらない深遠な歴史的背景を秘めています。饒速日命は、後に大和朝廷で大きな勢力を誇る豪族、物部氏の遠祖神にあたります 。物部氏は神武天皇が大和に入る以前からこの地を治めていた有力な氏族であり、その地位は正史である『日本書紀』でも認められるほどでした 。その事実を考えると、饒速日命の降臨伝説は、単に神の来訪を物語るだけでなく、物部氏が天皇家と同じく天津神(高天原の神々)の系譜に連なることを示し、彼らの権威を正当化するために重要な役割を果たしたと考えられます 。  

御神体は空を翔けた船:巨大な「天の磐船」が語る降臨の物語

磐船神社の最大の見どころは、御神体である「天の磐船」です。高さ12メートル、幅12メートルに及ぶこの巨大な磐座(いわくら)は、その名の通り、天から降りてきた饒速日命が乗っていた「岩の船」であると伝えられています 。この岩が御神体そのものであるという事実は、日本の古来から続く自然崇拝、特に巨石信仰を象徴しており、古代の人々が岩そのものを神様の宿る聖域として崇めていたことを物語っています 。  

御神体である「天の磐船」
岩と社の大きさの対比が

また、この伝説には逸話が添えられています。『先代旧事本紀』によれば、饒速日命は天の磐船で空を翔けながら地上を見下ろし、「虚空見日本国(そらみつやまとのくに)」と名付けたとされています 。この言葉は、「空から見た大和の国」を意味し、地上を見下ろす神の視点を詩的に表現しています。これは、現代の旅行者が飛行機の窓から見下ろす日本の景色と重なります。  

体感する神話の聖域:磐船神社の「岩窟めぐり」

磐船神社のもう一つの魅力は、御神体である天の磐船の脇に広がる「岩窟めぐり」です 。

命懸けの修行道?修験者が歩んだ神秘の「岩窟めぐり」とは

「岩窟めぐり」は単なる洞窟探検ではなく、古来より神道家や修験者たちが修行を行った、まさに聖なる道そのものです 。巨石と巨石の間を進むその道は、場所によっては一人がやっと通り抜けられるほどの狭い穴となり、身をかがめたり、膝をついて這ったりしながら進む必要があります 。  

岩窟めぐりを安全に楽しむための必携ガイド

岩窟めぐりは、その神聖さと危険性から、いくつかの厳格なルールが定められています。

  • 受付と参拝料:
    社務所で参拝を申し出、「参拝申込書」に記入する必要があります 。
    拝観料は500円(子供は300円)です。  
  • 服装と準備物:
    動きやすく、汚れてもよい服装が必須です。特にスカートは避けるべきです 。
    靴底が滑りにくい靴や、わらぞうりへの履き替えが推奨されます 。
    軍手や懐中電灯があると、より安全に楽しめます 。  
  • 注意事項:
    • 白いタスキの着用が義務付けられています(社務所で貸し出し) 。  
    • 年齢制限があり、10歳未満と76歳以上は参拝できません 。  
    • 飲酒後は厳禁です 。  
    • 夜間、雨天時、増水時には拝観ができません 。   

饒速日命を祀る空のネットワーク

饒速日命をめぐる物語は、磐船神社だけに留まりません。彼は、日本全国に広がる「空のネットワーク」の要として、航空や旅を愛する人々の心の拠り所となっています。

饒速日命の分霊を祀る空の聖地:京都・飛行神社

京都府八幡市にある飛行神社は、大正4年(1915年)に「日本の航空機の父」と称される二宮忠八によって創建されました 。この神社は、饒速日命が天の磐船に乗って空を翔けたという説話にあやかって、磐船神社からその御神霊を分けていただきました 。  

関空のお膝元に饒速日命の分霊を祀る:泉州磐船神社(航空神社)

饒速日命は、大阪府泉佐野市にある泉州磐船神社の御祭神でもあります 。関西空港のすぐ近くにあり毎日安全なフライトを見守っています。  

饒速日命と繋がる岩と矢の物語:奈良・矢落神社

奈良県大和郡山市にある矢田坐久志玉比古神社(別名:矢落神社)は、饒速日命が天神から授かった三本の矢を射て、その落ちた場所に居を定めたという伝説を今に伝えています 。

これらの神社は、饒速日命という一人の神を通じて、古代の壮大なフライト伝説を多角的に物語る、一つの巨大なネットワークを形成しているのです。  

磐岩神社の御朱印

磐船神社の御朱印
磐船神社の御朱印

磐船神社では御朱印もいただけます。

空と大地が交わる場所で、新たな旅を

大阪・交野市に鎮座する磐船神社は、単なるパワースポットではありません。それは、古代の神話、悠久の自然、そして現代の空の旅が交錯する、他に類を見ない特別な聖域です。饒速日命の「天の磐船」伝説は、私たちが飛行機に乗って空を旅する現代においても、遥か古代から受け継がれてきた「空への憧れ」を物語っています。

磐船神社の茅の輪
境内にあった茅の輪(ちのわ)

LCCの発達で飛行機旅行が安価で可能になり利用する機会が多くなってきています。
ただの交通安全ではなく飛行機に特化した安全を祈ってみてはどうでしょうか?
飛行機事故やロストバゲージ、遅延トラブルなど、旅行にまつわるトラブルから守ってくれるかもしれません。

磐船神社の駐車場

磐船神社は、古くから「磐船街道」と呼ばれ、現在は国道168号線として知られる道沿いに位置しています 。国道から磐船神社へ続く道に入ってすぐの場所に広い「磐船峡駐車場」があるので、そこに駐車して神社へ行くの事ができます。

関西にある航空関係の神社のまとめ

奈良・大阪・京都に点在する「航空安全の三神社」をまとめた記事はコチラ。
関西の航空安全神社ガイド、奈良・大阪・京都の「空の三社」巡り

場所はコチラ

投稿者 iryota_gram

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