関西の航空関係の神社を巡るシリーズ第二段!
前回は大阪泉佐野の航空神社でしたが、今回は空港の無い奈良県にある航空にまつわる神社の紹介。

奈良県大和郡山市にひっそりと鎮座する「矢田坐久志玉比古神社(やたにいますくしたまひこじんじゃ)」。一見すると普通の古社ですが、ここには全国でも珍しい「航空安全」のご利益があるとされ、航空関係者のあいだでは有名な神社。
楼門に掲げられた飛行機のプロペラ
まず目を引くのは、神社の楼門に掲げられた本物のプロペラ。これは旧日本陸軍の九一式戦闘機の木製プロペラで、かつての航空関係者によって奉納されたものです。プロペラの横には「航空祖神」と記された扁額が掲げられており、空の安全を祈る聖地としての側面が現れています。

何も知らなければ通り過ぎてしまう楼門。
航空の神・櫛玉饒速日命(くしたまにぎはやひのみこと)
矢田坐久志玉比古神社の主祭神は、櫛玉饒速日命(くしたまにぎはやひのみこと)。神話の中で、天磐船(あめのいわふね)という空を飛ぶ船に乗って地上に降り立ったとされる神です。この「天磐船=飛行体」という神話が、現代では「航空の守り神」として再解釈されているのです。

神話上、饒速日命は自らの居住地を探すため三本の矢を放ち、矢が落ちた地区がこの辺りで「矢田」の地名の由来になっています。また二本目に落ちた矢がこの神社で別名「矢落神社」とも言われています。
饒速日命が二本目に落ちたこの矢落神社の場所に住居を構えたことで、昭和初期に内務省神社局はここを「航空祖神」と考証したという。

航空安全を祈る神社としての役割
昭和期以降、航空機の発展とともに「空の神様」としての信仰が高まり、特に戦後は自衛隊や航空関係企業の関係者による参拝が増加。毎年9月20日の「航空の日」前後には「航空祭」も行われ、航空関係者にとって重要な神社の一つとなっています。
歴史ある本殿と社殿群
本殿は室町時代建立の春日造で、国の重要文化財にも指定されています。楼門のプロペラというモダンな要素と、歴史ある建築のコントラストが、この神社の魅力の一つです。

写真は拝殿であり、この拝殿の奥に春日造りの本殿がある。本殿は垣間見ることくらいしかできない。

矢落神社の境内。入口鳥居をくぐってすぐ左に社務所、右側に手水舎。

境内にあった手水舎に掲げられていた「手水のつかいかた」が描かれた看板。
イラストがとても昭和。

矢田坐久志玉比古神社は、古代の神話・中世の建築・現代の航空信仰が融合した非常にユニークな神社です。
飛行機に関わる仕事をしている方、旅行好きな方、空への安全を祈る方にとっては、ぜひ一度訪れておきたい「空の聖地」。
アクセス・参拝情報
所在地:奈良県大和郡山市矢田町965
アクセス:JR・近鉄郡山駅から奈良交通バス「横山口」下車徒歩約6分
駐車場有

駐車場の様子。駐車場は広いですが、駐車場までの道路が少し狭いので注意です。
関西にある航空関係の神社のまとめ
奈良・大阪・京都に点在する「航空安全の三神社」をまとめた記事はコチラ。
関西の航空安全神社ガイド、奈良・大阪・京都の「空の三社」巡り

