東近江やおたね

滋賀県東近江市に、訪れる人々を熱狂させる「幻のワッフル」が存在するらしい。
そのワッフルを販売するのが、ローカルコンビニ「フジファミリーショップやおたね」(以下、やおたね)です。

昭和の佇まいと、昼過ぎに起こった「売り切れ」の悲劇

「やおたね」の強みは、標準的なコンビニの「利便性」ではなく、手間ひまかけた自家製調理品(ワッフル、弁当、サンドイッチ )  を中心とするお惣菜なのです。

フジファミリーショップやおたね
駐車場も広々たくさん停めれる

今回、東近江市のプロペラが奉納されている今堀日吉神社に訪問した際、その近くにあるやおたねへ足を運びました。目的はただ一つ、地域で評判となっているワッフルをこの舌で味わうこと。期待に胸を膨らませ、いざコンビニへ!

田んぼの中のレトロな小売店

カーナビに「やおたね」の住所(滋賀県東近江市今堀町137-3 )を入力し、お店へと向かいました。周囲は本当にのどかで、  一面に田んぼや畑が広がるエリアの幹線道路沿いに、「やおたね」はありました。駐車場は広々としていて、すぐにそれだと分かります。

フジファミリーショップやおたね
コンビニ戦国時代全盛期

お店の佇まいは、現代のピカピカした大手コンビニとは一線を画し、「昭和」のコンビニ黎明期の趣きがあり、初めて訪れたのに温かい気持ちになります。店舗の広さは大手コンビニと同じくらいですが、中に入ると、陳列されている日用品や食料品の並び方、そしてレジ周りの雰囲気から、ここはコンビニというよりも、地域に長く根付いた「田舎の日用品店」に近いものを感じます。

幻となったワッフル、そして新たな発見

さあ、いよいよお目当てのワッフルです。
日曜日の13:30頃にお店に到着しましたが、ワッフルが置かれているはずのコーナーは、まさかの空っぽ。ショックを隠しきれません。

店主の方に話を伺うと、「お昼にはもう売り切れちゃって」とのこと。そして、「毎日売り切れるわけじゃないんだけど、今日はたまたま。」と優しく教えてくれました。

フジファミリーショップやおたねのワッフル
ワッフルがない!

この「売り切れ」は、単なる欠品ではありません。このワッフルが、遠方からわざわざお客さんを呼び寄せるキラーコンテンツとして機能している証拠なのです。

その事実に、残念ながらもどこか納得しつつ、気を取り直して店内を見回すと、ワッフルと同じくらい「美味しい」と評判のお総菜パンが並んでいます。もちろん、それを購入して帰路につきました。次こそは、開店直後の早い時間にリベンジを果たすと心に誓っています。

「やおたね」から学んだ超ローカル経済学の秘密

なぜ、東近江市のコンビニランキングで27位 (※)という位置付けにあるやおたねが、大手チェーンがひしめく中で、生き残れているのか。せっかく「やおたね」にきたの少し調べてみた。
 ※ホームメイト・リサーチの「マーケットピア」調べ

大手に真似できない「製造小売」というこだわり

「やおたね」の強みの中心にあるのは、「手作りのお弁当やサンドイッチ、そしてワッフルを大事にする」というお店の姿勢。

大手チェーンが工場で大量生産した規格品を並べるのに対し、「やおたね」はひと手間かけて自家製造。だからこそ、ほかでは味わえない圧倒的な品質が生まれるのです!

効率より「継続」を選んだ経営戦略

「やおたね」の運営スタイルは、コンビニ常識にあえて逆らう“ひねくれた面白さ”があります。

定休日と営業時間
まず、朝7時から夜8時までの営業、しかも木曜はお休み。24時間365日が当たり前のコンビニ界において、これはまるで昭和にタイムスリップしてきたかのような設定です。しかし働き方改革の現在、この限られた時間だからこそ、スタッフは無理なく働けて、今どきの潔い選択なのかもしれません。

現金オンリー
支払は「現金払いのみ」。キャッシュレス全盛の時代に、カードも電子マネーもNGという徹底ぶりです。初期導入コストや外部に払う手数料をなくし、最良の商品を最良の価格で提供します。

便利さを追い求めて突き進む大手チェーンとは真逆に、立ち止まり相対的に逆方向に進む「やおたね」。その姿勢が、逆に唯一無二の魅力を生んでいるのです。

幻のワッフルが地域を救う

実際に「売り切れ」に遭遇したこと自体が、「やおたね」の強さを物語っています。つまり、「他で代わりがきかない圧倒的な美味しさ」が、ローカルコンビニにとって最大の武器だということです。

このワッフルは、遠くからわざわざ買いに来る人がいるほどの吸引力があります。しかも、お客さんはワッフルを目当てに来店し、そのついでにお惣菜パンや日用品まで買ってしまう。これこそ、「やおたね」の商売上手な仕組み。

大手チェーンが並べる「なんちゃってご当地商品」では到底たどり着けない、本物の地域の食文化の中心地としての地位を、この小さなコンビニはしっかりと築いているのです。

再訪まちがいなし!次こそは!

今回の「やおたね」訪問は、残念ながらワッフルを手に入れられませんでしたが、その悔しさ以上に、地域密着のしたたかな戦略を、肌で感じることができたのは大きな収穫でした。

ローカルなコンビニが生き残るには、「便利さ」や「効率」という土俵に無理して立つのではなく、あえて手間と品質にこだわり抜き、地域に根ざした存在感を積み上げていくことが何より大切なのだと思います。

フジファミリーショップやおたね
竜田ロールも美味しかった

ちなみに、代わりに買ったお惣菜パンは評判通りの美味しさで、むしろ幻のワッフルへの期待をさらに高めてくれる結果に。
次回は絶対に幻の味を手に入れてみようと思うのです。

「やおたね」のすぐ近所にあるプロペラが奉納されている珍しい「今堀日吉神社」の記事はコチラ!

場所はコチラ

営業時間:10:00~20:00
定休日:木曜日

投稿者 iryota_gram

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