台湾西海岸の嘉義県布袋鎮にある「高跟鞋教堂(ハイヒール教会)」は、その超現実的な見た目で訪れる人を驚かせるランドマークです。今回は、台南の新營を起点としたバス旅の記録とともに、この不思議な建築物の真実に迫ります。
台南からのアクセス:西濱快線バスで布袋漁港へ
今回の旅は、台南・新營を起点とする「台湾好行(台湾トリップ)西濱快線」バスを利用しました。このバスは台湾西海岸の主要スポットを結んでおり、嘉義の布袋漁港エリアへのアクセスに非常に便利です。

布袋漁港エリアには3つの停留所がありますが、「高跟鞋教堂」バス停で降りると、目の前が教会の入り口です。公園内に入り正面を向くと、巨大な青いハイヒールがその姿を現します。
ギネスも認めた「世界最大のハイヒール」
このハイヒールは「世界最大のハイヒール型建造物」として2016年にギネス世界記録に認定されています。

- 高さ
17.76メートル(約5階建てビルに相当) - 素材
1,269本のステンレス鋼管と、320枚以上のブルー強化ガラスを使用 - 構造
内部に柱がない中空構造で、「ユニバーサル・ジョイント」という特殊な接合技術を342個も使い、複雑な幾何学形状を維持しています。
実際に近くで一周歩いてみると数分かかるほどの大きさです。太陽の光を透かして輝く青いガラスは美しく、複雑で合理的な内部構造が透けて見える様子は、建築ファンにとっても見応えがあります。
なぜ「教会」?名前に隠された意外な事実
「ハイヒール教会」という名前ですが、宗教的な機能はありません 。牧師や神父もおらず、礼拝が行われることもない、一種のアート作品であり「結婚式向けの撮影スポット」という位置付けです。

なぜあえて「ハイヒール」の形をした「教会」として建てられたのか。それには、この地域がかつて背負った悲しい歴史が深く関わっています。
烏脚病(ブラックフット病)への祈り
1950年代から60年代にかけて、嘉義や台南の沿岸部では「烏脚病(ブラックフット病)」という地方病が蔓延していました。深井戸の地下水に含まれる高濃度のヒ素が原因で、手足が壊疽し、切断を余儀なくされる病気です。
当時の台湾の習慣では、新婦は結婚式でハイヒールを履いて「瓦を割る」ことで過去の不運を断ち切る儀式がありました。しかし、病気で足を失った多くの女性たちは、ハイヒールを履くことも、結婚することさえも諦めなければなりませんでした。

この建築物には、そんな女性たちの「失われた夢を叶え、過去の悲劇を幸福への祈りに変える」という願いが込められているのです。
観光スポットとしての楽しみ方
公園のど真ん中に鎮座するハイヒール教会の周辺は、散策にぴったりの公園として整備されています。

- 休憩スポット
公園内には無料のトイレやカフェが併設されています。暑い日でも冷たい飲み物を飲みながら休憩できるのが嬉しいポイントです。 - フォトスポット
ハイヒールの周りには「LOVE」の文字やカボチャの馬車などのオブジェが配置されており、SNS映えする写真が撮り放題です。 - 夜間点灯
毎日日没後にはライトアップが行われ、昼間とはまた違ったロマンチックな雰囲気を楽しめます。

賛否両論を越えて
この巨大な建築物については、地元の歴史を大切にするという評価がある一方で、「景観から浮いている」「歴史の美化ではないか」という建築家や評論家からの批判(賛否両論)も存在します。しかし、現在では布袋の街に活気をもたらす重要な観光資源として、多くの観光客やカップルに愛されています。

教会を見学した後は、再び「西濱快線」バスに乗り込み、次の目的地である布袋漁港の魚市場や七股などへ向かうのがおすすめです。
リール動画はコチラ
施設情報・場所はコチラ
- 場所
嘉義県布袋鎮新西路5号(布袋海景公園内) - 入場料
無料 - アクセス
台南「新營」駅から「台湾好行・西濱快線」バス利用が便利
