台南の新営に滞在したある日のこと。隣町の塩水までサイクリングをして、夕方に新営へ戻ってきました。新営の街についてはガイドブックやWEBでもほとんど情報がなく、事前情報もないまま、夕食を求めて街中を彷徨ってみることに。
街中の人の流れを見ながら辿り着いたのが「新営夜市」でした。
都会すぎず、田舎すぎない新営の街にあった夜市。今回は偶然見つけて分かった新営夜市を紹介します。
毎週土曜日だけ!新営の街が変貌する「L字型」のお祭り空間
新営夜市は、台北などの毎日開催される常設夜市とは異なり、毎週土曜日のみ開催される夜市です。

場所は新営市中心部の民生路と中華路が交差するエリア。この2つの通りを封鎖して飲食屋台がズラリと立ち並び、全体で「L字型」の巨大なマーケットを形成します。規模は大きすぎず小さすぎず、しかし285もの屋台がひしめき合っている夜市なのです。
なぜ土曜だけ?台南独自の「流動夜市」文化
台南の夜市には「大大武花大武花(※)」という有名な呼び名があります。これは曜日ごとに開催される夜市の頭文字をとったものですが、新営夜市もこの台南独特の「流動夜市(移動型夜市)」のスタイルです。
※曜日ごとの営業場所(大東、武聖、花園)を表す頭文字
新営周辺の流動夜市スケジュール
新營からアクセスの良い範囲では、以下のようなサイクルで夜市が開かれています。
- 月曜日: 塩水夜市(塩水区 武廟 周辺)
新営のすぐ隣、塩水区で開催される夜市です。 - 火曜日: 中営夜市(下営区)
- 水曜日: 下営夜市(下営区)または 柳営夜市(柳営区 成功路)
柳営は新営の南隣に位置します。 - 木曜日: 白河夜市(白河区 白河商工 付近)
新営から北東へ車で20分ほどの場所です。 - 土曜日: 新營夜市(新営区 民生路)
このエリアで最大規模の開催となります。 - 日曜日: 後壁夜市(後壁区)
屋台の店主たちは、日本の祭りの屋台のように、曜日ごとに場所を変えて商売をしています。そのため、台南の他の夜市で見かけたお店が、また別の場所で再会する可能性も。
新営夜市で人気の名物グルメ
新営夜市には、地元の人たちが毎週行列を作る名店がいくつかあるようです。
以下は新営の夜市グルメを調べてみたもの(写真無いです)。

和誠塩粿(伝統の米ケーキ)
新営の人々にとって「懐かしい味」といえばここ。朝食店としても有名で、土曜の夜は夜市にも登場します。米のペーストを蒸し上げ、鉄板で黄金色に焼き上げた「塩粿」に、自家製ソーセージとおろしニンニクを添えて食べるのが新営流。
呉記排骨酥(パイ骨の揚げ物)
夜市の入り口付近で香ばしい匂いを漂わせている超人気店。中毒性のある外はカリカリ、中はジューシーな食感。
無名滷鴨血(鴨の血の煮込み)
看板には「鴨血」とありますが、多くの人がセットで「炸魷魚(イカの揚げ物)」を注文する不思議な人気店です。味が染みたプルプルの鴨血と、サクサクのイカの組み合わせは、新営夜市の名物。
果芸術生機蔬果吧(フレッシュジュース)
濃厚な搾りたてジュースが人気のお店。その場で少し飲んだ後に「つぎ足し」をしてくれるサービスがあるとか。コスパ最強のドリンクとして話題です。
食べ歩きだけじゃない!親子で楽しめる遊具コーナー
飲食エリアの外れまで歩いていくと、そこにはゲーム・遊具コーナーが広がっています。

輪投げや射的、ピンボールといった遊びはもちろん、クレーンゲームなども充実しており、家族連れでも1時間以上たっぷりと楽しめます。飲食エリアと遊びのエリアが分かれているので、目的に合わせて歩きやすいのも特徴です。
写真は麻雀牌をテーブル上で並べるゲーム。台湾の夜市でよく見かけますが、ルールが未だ理解できてません。対象年齢は結構高くても遊べそうなのです。

地方都市における「流動型夜市」の価値
台北のような大都市では毎日常設の夜市が開かれているのが当たり前です。そのため、台南のように開催曜日が限定されていると、田舎感だからと思っていました。

しかし、屋台業者が曜日ごとに各地区を巡回する「流動型」という仕組みを知ると、人口が限られた地方都市において、夜市文化と産業を両立させるための、合理的な解決策だったのです。
毎日開催では分散してしまう客足を、週に一度の開催に凝縮させる。それにより、地方であっても大都市に負けない多様な屋台と活気を維持することができる。流動型夜市は、台湾の庶民の知恵が生んだ持続可能な地域活性化の形なのだと合点がいきました。
新営夜市の基本情報
- 開催日
毎週土曜日 - 営業時間
17:00 – 23:30頃(19時〜21時がピーク) - 場所
台南市新営区中華路・民生路付近
(※記事内の写真は2023年8月に私が実際に撮影したものを利用しています。)
