台南塩水月津港

台南の北部に位置する塩水(イェンスイ)は、かつて台湾第四の港町として栄えた歴史ある街です。今回は、隣町の新営(シンイン)から自転車に乗り、塩水まで行って街を巡った時の様子を紹介。

新営から塩水へ!「糖鉄自行車道」でサイクリング

旅の始まりは新営から。ここでは「新営糖鉄自行車道」という、かつての砂糖運搬鉄道の跡地を利用した自転車専用道を走ります。

新営糖鉄
途中駅だった名残のある史跡もちらほらあります

途中、大きな赤い門が目を引く「新営太子宮」に立ち寄りながら、ペダルを漕ぐこと約30分。線路沿いの風景を楽しみながら、目的地である塩水の街へ到着しました。

新営太子宮
屋根の上に太子様の像のある中華らしい廟

新營太子宮を紹介する記事はコチラ

まるでラピュタの世界!「旧塩水駅」のガジュマル倉庫

台南旧塩水駅
リノベされてキレイなった塩水駅跡

塩水の街に入ると、まず現れるのが「旧塩水駅(旧塩水車站)」です。ここは1908年に開通した台湾最古の旅客糖業鉄道の駅として知られています。

台南塩水駅倉庫群
ラピュタの巨人兵がでてきそうな雰囲気

現在は公園として整備されていますが、駅舎の向かいにある古い倉庫群が圧巻です。1982年の火災で屋根が崩落した後、放置されたレンガの壁をガジュマルの樹が侵食。その姿は、まるで『天空の城ラピュタ』に登場する廃墟のよう!力強く絡みつく気根の造形美は、自然の生命力を感じさせてくれます。

台南塩水駅倉庫群
自然の力にあらがえない倉庫

勇壮な関公像と、後殿のユニークな神様たち「塩水武廟」

台南塩水武廟
綺麗な関羽の像でした

続いて自転車で東へ向かうと、塩水の信仰の中心地「塩水武廟」に到着します。入口には巨大な関公(関羽)の像がそびえ立ち、その迫力に圧倒されます。

塩水武廟後殿
三階建ての廟で登れます!

個人的に興味を持ったのは、後殿にある柱の装飾です。そこには多種多様な神々が刻まれており、一人ひとり表情やポーズが異なります。厳かな雰囲気の中にも、どこかユーモラスで楽しげな姿は、いつまで見ていても飽きることがありません。ちなみに、この廟は世界的に有名な「塩水蜂炮(爆竹祭り)」の発祥の地でもあります。

塩水武廟
お腹に誰かがいてる神様?

台湾まぜそばのルーツ!?「阿妙意麵」で絶品ランチ

お腹が空いたら、塩水市場を通り抜けて「阿妙意麵」へ。塩水の名物といえば、小麦粉に卵を練り込んで天日干しにする「意麺」です。

阿妙意麵
看板中央のロゴが現代風のデザイン!

ここの麺は、日本の「台湾まぜそば」のルーツを彷彿とさせる、独特の縮れが特徴。店主は老舗の名店「阿三意麵」の娘さんで、伝統の味をしっかり引き継いでいます。

阿妙意麵の店内
外には行列ができてますが回転が早いです
  • 麺の特徴
    弾力のある縮れ麺に、あっさりした赤身肉主体の肉燥(そぼろ)が絡み、クセになる美味しさ!
  • おすすめトッピング
    塩水ならではの「肉燕酥(ヨンアス)」。魚のすり身と豚肉の餡を揚げたもので、カリカリの食感が最高です。

うっかり料理の写真は撮り忘れました。とても美味しかったです!

木造建築の傑作「塩水八角楼」

ランチの後は、すぐ近くにある「塩水八角楼」へ。1847年に建てられたこの建物は、釘を一本も使わない「ほぞ継ぎ(榫接法)」という特殊な技法で作られた純木造建築です。

塩水八角楼
台湾であまり残ってない木造の古建築

かつて1895年の日本統治時代には、日本の伏見宮貞愛親王が宿泊所として利用した記録が残っています。そのため、後門の鴨居の上には日本皇室の象徴である菊の御紋(菊花紋章)が今も刻まれており、日台の歴史的な繋がりを感じることができます。

コンビニが美術館に?「7-ELEVEN 鹽生門市」

さらに南下すると、驚きの光景が。コンビニ「7-ELEVEN 鹽生門市」の壁一面に、レオナルド・ダ・ヴィンチの『モナ・リザ』などの名画が描かれているのです。

7-ELEVEN 鹽生門市
ただのコンビニの壁が美術館に!

よく見ると、全ての絵に登場する人物たちがみんなフルフェイスのヘルメットを被っています。これは、塩水蜂炮(爆竹祭り)で飛んでくる火の粉から身を守るための地元スタイルをパロディにしたもの。街全体を屋根のない美術館に見立てた「月之美術館」プロジェクトの一環で、街歩きを楽しくしてくれます。

消えゆく老街の風景「橋南老街」の今

最後に訪れたのは、塩水で最も古い通り「橋南老街」です。かつての港の玄関口として栄えた場所ですが、現在の規模は小さく、建物の老朽化がかなり進んでいました。

橋南老街
一見すると小さな老街

観光地として完全に整備されているわけではありませんが、崩れかけたレンガ壁や古びた看板からは、長い年月を生き抜いてきたリアルな歴史の重みが伝わってきます。このまま消えてしまうのではないかという儚さが、逆にこの通りの旅情を引き立てていました。

橋南老街
実際に見てみるとかなり老朽化が進んでてボロボロ

旅を終えて

一通り塩水の街を走り抜け、再び新営の街へと戻りました。塩水は、ラピュタのような廃墟、精緻な伝統建築、ユニークな現代アート、そしてグルメが凝縮された、コンパクトで見所の多い街です。ぜひ、台南観光の際に寄ってみてはどうでしょうか。

◇塩水の場所はコチラ!
新営から自転車でやすまず漕いで30分程です。

(※記事内の写真は2023年8月に私が実際に撮影したものを利用しています。)

投稿者 iryota_gram

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