フマユーン廟

デリー観光の2日目、デリー中心地の観光スポットを巡り、その締めくくりに訪れたのが世界遺産「フマユーン廟」です。訪れた時は夕暮れ時で、西日に照らされた姿は、赤い砂岩と相まってとても綺麗でした。今回はこのフマユーン廟の建築と歴史をご紹介します。

タージ・マハルの「デジャブ」を感じる西門

フマユーン廟のブ・ハリーマ門
白いビルのアイコンの様なブ・ハリーマ門

入口から廟へと向かう通路は一直線に伸びており、その途中には「ブ・ハリーマ門」や壮大な「西門」が立ちはだかります。
上の写真の白い門がブ・ハリーマ門。手前に城壁を崩した跡があり、手前にも門があったのかも。

フマユーン廟の直前にある西門

特に驚いたのが、フマユーン廟の直前にある西門を通った時です。門の開口部からフマユーン廟の全景が額縁のように切り取られて見えるのですが、その光景はまさにタージ・マハルの入口と同じ見え方。強いデジャブを感じました。

フマユーン廟は「タージ・マハルのプロトタイプ(原型)」と言われており、後のムガル建築に多大な影響を与えた建物なのです。

タージマハルを紹介している記事はコチラ

なぜインドにペルシア様式が取り入れられたのか?

フマユーン廟は、インド亜大陸で初めて本格的にペルシア様式を取り入れた歴史的建築です。どのようにしてデリーにペルシアの様式が持ち込まれたのか。

フマユーン廟を正面から見た様子
フマユーン廟を正面から見た様子

ペルシア様式が入ってきた背景には、第2代皇帝フマユーンの生涯が関係しています。フマユーンは一時期、王座を追われペルシア(サファヴィー朝)へ亡命していました。そこで彼は洗練されたペルシア文化に魅了され、復位した際にペルシア人の芸術家や建築家をインドへ伴って帰国したのです。

斜めからフマユーン廟を眺める
インドですがとてもイスラム感のある建築

この廟を建設したのは、フマユーンの死を悼んだ第一王妃ベガ・ベグム。彼女はペルシア人建築家ミラク・ミルザ・ギヤスを招き、亡き夫のために地上に「天国の楽園」を具現化しようとしました。

一層目の連続した柱というべきか、連続した開口部というべきか、地上から宙に浮いたような印象を受けるまさに天国の様かもしれない。

地上の楽園「チャールバーグ(四分庭園)」を歩く

西門を出て廟へと向かう空間は、広大な庭園になっています。これはペルシア様式の「チャールバーグ(四分庭園)」という設計で、コーランに記された「エデンの園」を象徴しています。

フマユーン廟四分庭園
フマユーン廟から西門方向、大気汚染で空は濁ってます

庭園には一直線に小さな水路が流れており、これは楽園を流れる河を表現しているのだとか。まさにタージマハルも似た庭園がありました。
訪れたのが夕方だったため、赤色の素材でできた建物が夕日に照らされてより一層赤く輝き、水路の水には「逆さ富士」ならぬ「逆さフマユーン廟」が綺麗に反射していました。

水面に反射したフマユーン廟
水面に映ってる世界が天国の世界なのかも

水路の水面ギリギリにカメラのレンズを近づけると、逆さフマユーン廟を撮ることができます。
水路を跨いで腰をかがめるか、地面に這いつくばるかでした撮れません。撮影中気が付けばインド人に囲まれてました。

ムガル建築の元祖!緻密な建築構造

いよいよ本体へ。フマユーン廟は、赤い砂岩をメインに、白い大理石をアクセントとして組み合わせたインド初の建築物です。

  • イーワーン
    四方にはペルシア建築の特徴である巨大なアーチ状の開口部「イーワーン」があり、開放感と重厚感を併せ持ちます。
  • 二重ドーム
    頂部のドームは、インドで初めて採用された「二重構造」になっています。外側は高く堂々と、内側は音響や空間のバランスを考えて低く設計されているという、当時の最先端技術が詰まっています。
フマユーン廟
赤と白がシンプルなのが初期っぽさを感じる

ムガル建築ではもうお馴染みのチャトリと呼ばれるヒンドゥー由来の小さな屋根。
上の写真でドームの両サイドにある四つの青っぽい東屋のようなものです。
ムガル建築はイスラムとヒンドゥーを融合したご当地建築なのです。

「ムガルの寄宿舎」と呼ばれる神秘的な内部

内部の中央はドーム状の部屋になっており、そこにはフマユーン皇帝の棺(セノタフ)が一つ、静かに置かれています。

フマユーン廟のフマユーンの墓
王の棺。実際はこの地下に埋葬されているとか。

しかし、この建物の凄さはそれだけではありません。中央の部屋の周囲にはいくつもの小部屋があり、そこには家臣や親族のものと思われる棺がたくさん並んでいました。実はこの廟には、150人以上のムガル皇族が埋葬されており、別名「ムガルの寄宿舎」とも呼ばれているのです。

フマユーン廟の家臣や親族の墓
家臣や親族の墓たち

プライバシーを守りつつ、通風と採光を確保するジャーリーと呼ばれる窓。
その窓からの光がとても綺麗でした。

観光に役立つ実用情報(料金・時間)

観光するための事前にチェックしておきたい情報をまとめました。

入場時間

通常、6:00から18:00(日の出から日没まで)の間、毎日開館しています。近年では、ライトアップされた姿を楽しめるよう、一部の日で21:00まで夜間開館が行われることもあります。

入場料金(2026年時点)

チケットは窓口でも購入できます。外国人用の窓口は基本空いています。

区分料金(窓口支払い)料金(オンライン予約)
外国籍(一般)600ルピー550ルピー
インド人・SAARC・BIMSTEC加盟国40ルピー35ルピー
15歳未満の子供無料無料

私は現地の窓口で買いましたがネットで買う場合はこのサイトから
Ministry of Culture Government of India:https://eticket.webfront.in/asi/

訪れるなら「赤い夕暮れ」の時間がベスト

赤い土に、赤い砂岩の建物、そして西向きの正面を照らす赤い夕陽。フマユーン廟を訪れるなら、夕方の時間帯がおすすめです。すべてが赤々しく染まる空間は、まさに興味深く、神秘的な美しさに満ちていました。

フマユーン廟の東側
ムガル帝国の終焉にも関係するフマユーン廟

デリー観光の際は、ぜひこの「ムガル建築の夜明け」を象徴する場所で、歴史を感じてみては。

(※記事内の写真は2024年1月に私が実際に撮影したものを利用しています。)

投稿者 iryota_gram

大阪府出身の男、サラリーマン。 学生時代から旅を始め、旅歴は約20年。アジアを中心に歩き回っています。 保有資格:二級小型船舶免許、普通二輪免許、二級施工管理技士(建築)

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