昆陽池公園の日本列島

飛行機の窓から地上を眺めるのが好きな人なら、伊丹空港を離陸してすぐに見える「日本列島の形をした島」の存在は周知の事実かと思います。
それが、兵庫県伊丹市にある昆陽池公園(こやいけこうえん)の人工島です。

私はこれまで何度も伊丹から飛行機に乗ってきましたが、何度もこの「日本列島」を見ることができずにいました。今回は運よく左側の窓側席を予約し、天候や滑走路の条件も重なって、ようやくその姿を確認することができました。
上空から見ると、池の真ん中に浮かぶ人工島がまさに日本列島の形をしていました。

昆陽池公園の日本列島の形をした人工島とは

昆陽池公園は、約1250年前に僧・行基によって造られた灌漑池をもとに整備された公園です。
この池の中央に浮かぶ「野鳥の島」は、日本列島の形を模した人工島として知られています。

伊丹空港離陸すぐ
伊丹空港離陸後すぐ現れる

このデザインは、単なる奇抜な発想ではなく、明確な意図があるようです。
当時の設計者たちは、

  1. 生態系の多様性を守る機能的形状(リアス式海岸のように野鳥の営巣地を確保)
  2. 「日本列島改造論」時代の政治的象徴性(国を象徴する形で自然保護事業をPR)
  3. 伊丹空港の離陸ルート直下という立地を活かした景観戦略

という三つの狙いをもって設計していました。

この島はもとより「空から見られること」が計画に組み込まれていたのです。
伊丹空港を離陸した飛行機から見えることを前提に、都市の中で自然との共生を象徴するランドマークとしてデザインされたわけです。

この人工島を見るための条件

実際にこの日本列島型の人工島を空から見るには、いくつかの条件がそろう必要があります。

滑走路の運用方向をチェック

伊丹空港には滑走路14(南向き離陸)と滑走路32(北向き離陸)があります。
昆陽池公園が見えるのは、
滑走路32から離陸する便の左側座席、または滑走路14から離陸する便の右側座席です。
この滑走路の運用は風向で決まるため、当日の気象条件を確認しておきましょう。

通常北西の風が吹いているので前者の滑走路32から北向き離陸を行うので前者の席に座るのがマスト。

座席は「窓側」を選ぶ

当たり前のようで最も重要です。
特に滑走路32運用時は、A列(左側)の窓側席がベストポジション。
離陸して約45秒~1分後、まだ高度が低い段階で視界の左下に昆陽池公園が現れます。

見えるのは“わずか十数秒”

視認できる時間は離陸から45秒後~1分後のごく短い時間。
離陸直後から窓の外に注目しておくのがコツです。
フラップが格納される前の低空飛行中が、ちょうど最も見やすいタイミングです。

何より重要なのは昆陽池公園を絶対見るぞという気持ち。
飛行機の到着後の予定とかを考え出すと、一瞬で見過ごしてしまいます。

実際に見えた瞬間の感動

今回、左側の窓から見下ろした瞬間、池の中央に「日本列島」がくっきりと浮かび上がっていました。
まるで空から日本地図を眺めているような感覚で、思わずと声を上げそうになったほど。
写真で見るよりもずっと立体的で、島のリアス式海岸のような形(?)も確認できました。

日本列島との比較
実際の日本列島と比較

何度も乗って見逃してきた景色に、ようやく出会えた達成感。
それは、旅の始まりにして最高のご褒美のようでした。

次に伊丹を飛び立つときは、空から日本列島を探してみよう

昆陽池公園の人工島は、都市と自然、デザインと生態系、そして地上と空をつなぐ象徴的な存在です。
地上からは見られない「見られること」を前提に設計されたランドマーク。

伊丹空港を利用する際は、ぜひ座席指定と滑走路方向を意識してみてください。
あなたも、離陸後45秒の「空の日本列島」をこの目で確かめるチャンスをつかめるかもしれません。

場所はコチラ

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伊丹空港より羽田空港を経由してインドデリーへ向かう際に見る事ができました。

投稿者 iryota_gram

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