台湾のラーメンシーンは今戦国時代に突入。濃厚な豚骨や鶏白湯が主流のなか、台北で異彩を放ち、熱狂的なファンを増やし続けているのが「柑橘Shinn」グループです。
私は、旗艦店「柑橘Shinn – Soba」から、「鴨葱」「魚水」まで3ブランドを食べ歩きました。
それらのラーメンは、単なる変わり種ではなく、台湾の気候・顧客体験・経営戦略をすべて設計に組み込んだラーメンなのです。
柑橘Shinnとは?
「柑橘Shinn」は、もともと「Aburasoba Shin(油そば専門店)」としてスタートしたラーメン店です。
オーナーのAlvin氏は、台湾のラーメン市場に独自の「柑橘系ラーメン」というジャンルを確立し、人気店へと成長させました。いまでは「台湾トップ10ラーメン店」に入る実力店。

また、台湾の伝統料理「滷味(ルーウェイ/煮込み料理)」と日本式ラーメンスープを組み合わせた新業態「柑橘Shinn加熱滷味」を展開し、ラーメンの新たな可能性を開拓。
お店の実績としては、2019年から2021年まで台湾ラーメン愛好会で3年連続金賞を受賞。2020年には台湾のトップテンラーメンランキングで第7位。
今や「柑橘Shinn」は台湾ラーメン界を代表する存在として、その地位を確立しています。
2025年からはフランチャイズ展開を本格化し、「台湾No.1ラーメンチェーン」を目指す計画が進行中。さらに、より低価格帯の新ブランド「小柑橘(シャオカンキツ)」の立ち上げや、海外進出も視野に入れているとのこと。
なぜラーメンに「柑橘」? 台湾気候への最適解
ブランド名の通り、柑橘Shinnの核心は爽やかな柑橘フレーバーにあります。
従来の台湾ラーメンが「濃厚さ」を競ってきたのに対し、ここでは清涼感と奥深さの両立を追求しています。

台湾の気候に寄り添う味設計
台湾の夏は長く、暑さの中でこってり系ラーメンは重く感じがち。
柑橘の酸味と香りは、出汁の旨味を損なわず、後味を軽やかに仕上げます。
これにより、「一年中食べたくなるラーメン」という台湾での新たなニーズを掘り起こしたのです。
「味変」を楽しむ体験設計
ラーメンにはレモンや柚子片が添えられており、好みに応じて酸味の強さを調整できます。
単なる飾りではなく、客が自ら完成させる一杯という体験を演出。

3ブランドの個性と戦略
柑橘Shinnグループが注目されるのは、「柑橘」という軸を持ちながらも、複数ブランドを展開している点です。
それぞれが異なる層をターゲットに据え、市場のニーズを広くカバーしています。

| ブランド名 | 出汁(湯底) | ターゲット層・特徴 |
|---|---|---|
| 柑橘Shinn – Soba | 柚子 × 出汁 | 柑橘系ラーメンの革新を体感したい層 |
| 柑橘Shinn – 鴨葱 | 濃厚な鴨出汁 | 動物系の深みと上質感を求める層 |
| 柑橘Shinn – 魚水 | サーモン出汁 | 海鮮の旨味や独自性を重視する層 |
注目すべきは、どのスープにも柑橘が高い調和性を持っていること。
柚子の香りが、塩味・鴨出汁・魚介出汁にまで自然に馴染み、柑橘ベースで市場を横断する稀有な成功例を生み出しています。

3分砂時計が示す徹底した品質管理
乾拉麺(油そば)やラーメンを注文すると出てくる「三分鐘沙漏(3分砂時計)」。
これは、ただの演出ではなく、オペレーションの合理化と品質維持を両立させる仕掛けです。

油そばは時間が経つと麺が固まるため、提供直後からのタイミングが重要。
砂時計は「3分経ったら混ぜる」という最適なタイミングをお客が自ら管理できるツール。

ラーメンを注文した際は、レモンや柑橘スライスをスープに漬けておく時間をコントロールするためのツール。
砂時計を合わせて提供する事で、お客様に品質のコントロールさせ、提供時間の短縮もはかっています。
「台湾No.1ラーメンチェーン」への挑戦
柑橘Shinnグループは、単なる人気店だけでなく「台湾No.1ラーメンチェーン(台湾拉麺連鎖第一品牌)」の地位を狙っています。
フランチャイズ展開(2025年始動予定)
台北での3店舗とセントラルキッチンで体制を整え、2025年から本格的に加盟展開へ。
安定したオペレーションが強みとなり、全国拡大を視野に入れています。
新ブランド「小柑橘」誕生へ
平均単価200元(約980円)ほどの低価格「小柑橘」を計画中。
既存のプレミアム路線に加え、ボリュームゾーン市場も取り込みを狙う。
柑橘Shinnグループ3つのブランドの詳細
柑橘Shinnグループ3つのブランドを食べ歩いた記録です。
各店舗ごと詳しく説明しています。
柑橘Shinn本店
柑橘Shinnは、もともと「Aburasoba Shin 油そば専門店」としてスタートした店 。
この創業店では創業時のメニュー「油そば」もメニューにあります。
台北市大安區仁愛路四段228-6號
営業時間:11:30~14:00、17:00~20:30
定休日:定休日なし
柑橘Shinn鴨葱
柑橘shinnのセカンドブランドのお店。
動物系鴨出汁をテーマにしたお店で、こちらも行列必須。
台北市信義區嘉興街315號
営業時間:11:30~14:00、17:00~20:30
定休日:なし
柑橘Shinn魚水
柑橘shinnのサードブランドのお店。
魚介系のブランドとしてオープン。
台北市信義區基隆路一段428號
営業時間:11:30~14:00、17:00~20:30
定休日:なし
今台湾で最もチェックすべきラーメンです!
ぜひ台北お出掛けの際は立ち寄ってみて下さい!



