ヒマラヤの奥地・ラダック地方。その玄関口となるのが、標高3,256mに位置するクショク・バクラ・リンポチェ空港(通称:レー空港)です。
「世界で最も美しい空港」の一つともいわれる一方で、インド軍が管理する世界有数の厳重なセキュリティ空港でもあるという、非常に特殊な場所です。
今回は2025年8月にレー空港を利用した時の様子を紹介します。
なお、新ターミナルは建設中のため、2025年〜2026年前半に訪れる人は今の旧ターミナルを利用する可能性が高いです。
旅の計画前に:なぜレー行きのフライトは「午前中」に集中するのか?
チケットを検索して気づくのが、レー空港を発着する多くの便が早朝から午前中に集中しているという点です。これは単なる航空会社の都合ではなく、この空港が置かれている過酷な自然環境が大きく関係しています。

一つ目の理由は、午後に発生する強風です。
レー空港は山に囲まれた谷の底に位置しており、日中になると周囲の山々の影響で風が強まり、乱気流も発生しやすくなります。これが航空機の安全な離着陸に大きな影響を与えるため、運航は風が比較的穏やかな早朝〜午後2時頃までに制限されているのです。
二つ目の理由は、空気の薄さと気温の関係です。
標高3,200mを超えるレーでは、空気の密度は平地の約70%程度しかありません。さらに日中、気温が上昇すると空気が膨張し、密度はさらに低下します。こうなると、エンジンの推力や翼の揚力が弱まり、飛行機が十分な浮力を得にくくなってしまうのです。特に夏場はその影響が大きく、気温が低い午前中のうちに離着陸を行う必要があります。
Point: 帰りのフライトを選ぶ際は、欠航や遅延のリスクを少減らすために、可能な限り早い時間帯の便を選ぶのがおすすめです。
飛行機を降りた瞬間から始まる、レー空港の「特別ルール」
デリーからのフライトでヒマラヤ山脈を越え、荒涼とした大地に降り立つと、そこはすでに空気の薄い高山地帯。
まず最初に気をつけたいのが、撮影禁止ルールです。
レー空港は軍民共用空港のため、空港の敷地内外・上空からの滑走路が写り込む撮影は禁止されています。
滑走路が写らないように注意し、写真はターミナル内だけで撮影しました。
飛行機を降りたあとはバスに乗ってターミナルへ移動します。中に入ると、そこはとてもシンプルな造りで、到着ロビーと手荷物受取所があるだけの、こぢんまりとした空間でした。
売店や両替、SIMカードも売っていません。あるのはトイレくらいでした。
※ラダックでのSIMカードについてはコチラの記事をご覧ください!
他のインド空港とは違う「外国人登録」
ここで、レー空港ならではの手続きが待っています。
手荷物受取所のあたりで、外国人は「Foreigners Registration(外国人登録)」を行う必要があります。

その場で「到着カード」と「出発カード」の2枚が配られ、到着カードはその場で記入して提出。
もう一方の出発カードは、帰りのフライトのときに必要になるので無くさないように。
係員はパスポートとビザを確認し、手書きの台帳に記入していました。デジタル化が進んでいる中、ここではまだアナログでの管理が続いており、「特別な地域に入った」という実感が湧きました。
空港から市内へ:タクシーは「組合制」で安心
空港建物からレーの市街地へ移動します。デリーなどと違い、UberやOlaのような配車アプリは使えません。
少し歩いて空港敷地の出口あたりまで行くと、プリペイドタクシーの受付があります。ここで行き先(ホテル名など)を伝えて料金を支払えば、車が割り当てられます。
レーのタクシーは「ラダック・タクシー組合」によって管理されているため、料金は固定制。面倒な値段交渉がなく、観光客にとっては安心。

私が市内中心部のホテルまで行った際の料金は600ルピー。
現在の目安としては次のようなイメージです。
- 空港 → レー市内:600〜800ルピー
- 空港 → ストック村方面:1,500ルピー~
- 空港 → アルチ方面:3,500ルピー~
帰りも、市内のメインマーケットにあるタクシー乗り場から、同じくらいの料金で空港へ向かうことができした。
出発時はさらに厳重!レー空港のセキュリティ
帰りのフライトでは、到着時以上に時間に余裕をもつことが重要です。
フライトの3時間前には到着しておくのが安心です。
まずターミナルへ入る段階で、パスポートと航空券(Eチケット)の提示が求められます。スマホ画面でも問題はありませんが、万一に備えて紙で印刷しておくと安心です。

チェックイン後には、レー空港特有の手続きが入ることがあります。それが、「自分の預けた荷物を目視で確認する」という作業です。
最近は新しい検査機器の導入で省略されつつありますが、念のため係員に
「Is baggage identification required?(荷物の確認は必要ですか?)」
と聞いておくと安心です。これを忘れると、荷物だけ置いていかれるケースもあるそうです。
今回のフライトではそんなチェックはありませんでした。
こういう事もあるんだなと思っている程度でOKだと思います。
保安検査の前には、到着時にもらった出発カードの回収があります。制服を着ていない係の人が集めていることもありますが、周りの流れに従って、確実に渡しましょう。
Wi-Fiは使えない前提で
空港内にはWi-Fiの案内が貼られていますが、実際はほぼ使えません。
インドのWi-Fiは、国内番号へのSMS認証が必要なことが多く、番号無のSIMカードだとSMSが届かず接続できないのです。

そのため、レー空港では通信環境は無いものとして考えておくのが正解です。
売店・喫煙所・お土産情報
制限エリア内の設備は最小限ですが、一応そろっています。

- 軽食スタンド(サモサ、サンドイッチ、カップ麺、ドリンクなど)
- 小さなお土産屋、ドライフルーツ店
- 喫煙スペース(搭乗口近く、売店の横)

午前に集中するレー空港を発着する飛行機。
私は何も知らず昼過ぎの便だったので、売店にパンなどはほぼ売り切れ状態でした。

品数は少ないが保安検査後のエリアにお土産物屋もあります。

搭乗口前の待合エリアの奥にタバコの売店がありました。とても喫煙者フレンドリーで珍しいなと感じました。この売店の左隣に喫煙所があります。

喫煙ルームには椅子も置かれていますが、大人4人入るととても窮屈です。
あと壁に備え付けのライターがあるので、ライターがなくてもOKです。
新ターミナルは2026年頃に完成予定?
空港の隣には、新しい大きなターミナルが建設中です。
私が訪れた2025年8月の時点でも、工事はまだ真っ最中でした。

当初は2025年完成予定とされていましたが、最新情報では2026年春ごろ(4〜5月)完成見込みとなっています。完成すれば、太陽光や地熱を活用したエコ空港となり、混雑も大きく改善されると言われています。
知っていれば怖くない、レー空港のポイント
レー空港は、場所柄どうしても緊張感のある空港ですが、事前に知っていればまったく問題なく利用できます。
- 写真はターミナル内のみ
- 到着時にもらう「出発カード」は帰りに必要
- 空港から市内までは約600ルピーの固定料金タクシー
- Wi-Fiは使えない前提で行動する
- レー発はなるべく早朝便に
- 出発時は時間にかなり余裕を持つ
新ターミナルができるまでの間、この「ヒマラヤのど真ん中にある小さな空港」を味わえるのは、今だけの体験かもしれません。
ラダックの旅の準備まとめ記事
ラダック旅行への高山病対策、スマホ・Wi-Fi事情、現地通貨の両替、デリー空港での乗り換え、レー空港での手続きまで、必須情報を1箇所にまとめた記事はコチラ。
【ラダック】個人旅行の必須ガイド!高山病やネット事情・両替・空港手続きを総まとめ
レー空港の場所はコチラ
レー中心地からタクシーで約15分ほど


