ボロブドゥール寺院インドネシア

インドネシア・ジャワ島にそびえ立つ、世界最大の仏教遺跡「ボロブドゥール」。
今回は、実際に寺院の頂上ツアーで見る事ができた石造建造物の意味や構造について紹介します。

現在の登頂ルール:ガイド同行と1時間の制限

正面から見るボロブドゥール寺院
正面から見るボロブドゥール寺院

現在のボロブドゥール寺院見学は、遺跡保存のために非常に厳格なルールが設けられています。まず、入口では腕に巻き付けたQRコードを提示して入場します。見学は基本的に専属のガイドさんに付いていくスタイルで、他のグループもいるため自由勝手に歩き回ることはできません。

ボロブドゥール寺院見学ツアー
ガイドの指示に従い見学

寺院内に滞在できる時間は約1時間。2,672枚ものレリーフや、504体もの仏像をすべて確認するには、時間が足りません。効率よく、かつ深く理解するためには、ガイドさんの説明に耳を傾けるのがベストな選択なのかもしれません。

ボロブドゥール寺院
全てを見て回るには難しい

見学予約から当日集合・見学までの流れは別記事で紹介してます。

欲界(カマドゥートゥ):人間の欲望と因果応報

寺院の基壇部分は「欲界(カマドゥートゥ)」と呼ばれ、生きる欲望に支配された世界を象徴しています。

ボロブドゥール寺院
仏と周囲には人?

ここには、寺院の壁側にずらりと精巧なレリーフが施されています。特に有名なのが「隠された基壇」にある160枚の「カルマ・ヴィバングガ(因果応報)」の物語です。現在は保護のためにその大部分が石積みで覆われていますが、一部だけ露出したレリーフからも、当時の人々の倫理観を垣間見ることができます。

ボロブドゥール寺院
下層階にあるレリーフ

色界(ルパドゥートゥ):形態に縛られた世界と首のない仏像

階段を上り、5層の正方形テラスからなる「色界(ルパドゥートゥ)」に入ると、風景が一変します。壁龕(ニッチ)と呼ばれるくぼみに収まった多くの仏像が現れますが、ここで気づくのが「首がない仏像」の多さです。

ボロブドゥール寺院
首のない仏像

実際に、完全な状態で残っている仏像は少なく、約300体以上が頭部を欠いています。これらは長年の風化や地震だけでなく、過去の盗難によってオランダやフランス、イギリスなどの海外博物館へ流出してしまったという歴史を持っています。

また、このエリアの仏像は向いている方角によって「印相(ムドラー/手の形)」が異なるのが特徴です。

ボロブドゥール寺院の印相(ムドラー/手の形)
Nanobananaで作成してみた
  • 東向き: 触地印(地に触れる)
  • 南向き: 与願印(施し)
  • 西向き: 禅定印(瞑想)
  • 北向き: 施無畏印(恐れを取り除く)

無色界(アルパドゥートゥ):悟りと究極の「空」

最上部の3層は、角張った下の階層とは対照的な、円形の平面計画を持つ「無色界(アルパドゥートゥ)」です。ここは欲望も形態も超越した、悟りの世界を象徴しています。

円形に配置されている仏塔
円形に配置されている仏塔

ここには72基の釣鐘型をした「格子状の仏塔(ストゥーパ)」が整然と並んでいます。

  • 下層2段(32基・24基): 菱形の隙間
  • 上層1段(16基): 正方形の隙間
ボロブドゥール寺院の仏様
仏塔が亡くなった仏様

隙間から中を覗くと、転法輪印(教えを説くポーズ)を結んだ仏像が安置されているのが見えます。中には仏塔が崩壊して、中の仏様が丸出しになっている場所もあり、その表情を間近に拝むことができます。

ボロブドゥール寺院メイン仏塔
中には仏像すらないとか

そして頂点に鎮座するのが、巨大な「中央大仏塔」です。このメイン・ストゥーパには中を覗くための穴がなく、完全に閉ざされています。これは言葉や形で表すことのできない「空」や「涅槃(ねはん)」の境地を表現しているとされています。

日本とは異なる仏教表現の深さ

ボロブドゥールは、単なる遺跡ではなく、一歩ずつ登ることで悟りへと近づく「体験型の巨大な曼荼羅」です。同じ仏教国である日本とは異なる表現や、配置規則に込められた意味を知ることで、この遺跡の真の価値が見えてきます。

ボロブドゥール寺院
シルエットが指数の株価の様

限られた1時間という時間の中で、ガイドさんの解説とともにこの「石の教典」を体感するのは、非常に興味深く、忘れられない体験となるはずです。

図解ボロブドゥール寺院
NotebookLMで作ってみた。

見学予約や場所について

ボロブドゥール寺院の見学ツアーの予約方法については別記事で紹介しています!

見学予約から当日集合・見学までの流れ

ボロブドゥール寺院の場所はコチラ

投稿者 iryota_gram

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