高雄の後駅商圏(高雄駅裏エリア)を散策した後、少し歩いて向かったのが「三鳳宮」でした。高雄観光の定番スポットとして知られる、街中にあるひときわ大きな廟を紹介します。
三鳳宮とは?台湾最大の三太子廟
三鳳宮は、1672年に創建され、約300年の歴史を持つ南台湾における道教の主要な聖地の一つです。

- 主神
中壇元帥三太子李哪吒(通称:三太子) - 地位
「台湾最大」の三太子廟として知られています。 - 建築美
1971年に現在の場所に移転して建てられた廟は、北方式の三層楼宮殿建築を採用しており、彫刻や配色が優雅で華麗。

その歴史的権威から香火(信仰心)が旺盛で、祭典の際には各地から多くの信徒が集まり、宗教界で最も賑やかな祭りと称されるほど。
三鳳宮の建物に一歩中へ足を踏み入れた瞬間に広がる光景には、まさに「圧巻」。

そこはまるで別世界、朱色の提灯が何重にも連なり、視界を埋め尽くす「提灯の世界」! 想像していた以上に壮観で、立ち尽くして見上げてしまうほどの迫力です。
提灯の秘密:「光明燈」が数万個集まった結果
なぜ三鳳宮にはこれほどまでに大量の提灯が飾られているのか? この提灯は単なる飾りではなく、信徒が寄贈した「光明燈」をすべて祀った結果なのです。
提灯=道教の「光明燈」
道教や仏教の廟宇で用いられる「光明燈」とは、信徒が神仏に平安や吉祥を祈願するために点灯する灯具です 。

教義上、この「灯」は人間の「元神」(生命力や魂の根源)を象徴しています。信徒が光明燈を点灯する行為は、「元辰(魂のエネルギー)を明るく照らし、暗闇を打ち破って前途を照らす」ことを意味します。つまり、厄除けや開運、平安などを祈る、非常に重要な信仰儀式なのです。
3万個の光明燈のまつった結果…
三鳳宮は、台湾最大の三太子廟としての圧倒的な信徒基盤を持っています。そのため、光明燈の点灯依頼が驚くほど膨大です。
信徒が奉献した一つ一つの光明燈(祈り)を、目に見える形で、かつ長期間(通常は一年間)管理し、灯し続ける義務が廟にはあります。

この数万個にも及ぶ個々の祈願を収容するため、結果として三鳳宮の建物全体を覆い尽くす、あの「数千個の提灯の海」となったのです 。
昼の荘厳さと夜の絶美なコントラスト
提灯が持つ宗教的な意味を知ると、その景色は感慨深いものになりますが、やはりその視覚的な美しさも大きな魅力です。

昼間、朱色の提灯が連なる姿は、荘厳な宮殿建築と相まって、神聖な雰囲気を醸し出しています。しかし、本当に三鳳宮の提灯がその真価を発揮するのは夜間です。

夜、提灯一つ一つに光が灯ると、数千の赤い光が織りなす「灯籠海」は「絶美夢幻」(絶美で夢のように幻想的)な光景を作り出し、「愈夜愈美麗」(夜が深まるほど美しい)と評されています。

この非日常的な光景は、高雄市内の映えスポットとして知られ、欧米や周辺アジアからの外国人観光客もこの「提灯の海」を撮影するために訪れるほどです。
高雄を訪れた際は、数万人の信徒の平安への願いが込められている「提灯の海」を体感してみては。
