以前、旅で履き潰した靴を大阪の服部天神で靴供養してもらってから、色々な神様に興味が高まりました。
今回紹介するのは兵庫県豊岡市に鎮座する小田井縣神社(おだいあがたじんじゃ)の境内社、柳の宮神社。
ここは日本で唯一、「鞄の神様」を祀る神社として公的に位置づけられています 。バックパッカーにとって、鞄は命綱そのもの。この「鞄の神様」がいると聞いたからには、旅人として絶対に行かないといけない場所だと感じ、早速行ってきました。
なぜ豊岡に「鞄の神様」が誕生したのか
柳の宮神社が「鞄の神様」となった背景には、豊岡の長い産業史が深く関わっています。
豊岡は、江戸時代から杞柳(きりゅう)細工、柳で編んだ柳行李(やなぎごうり)の生産地として栄えてきました 。柳行李は、軽くて丈夫な旅行具として重宝され、豊岡の基幹産業のルーツです。

境内社の柳の宮神社は、この産業の根幹をなす素材である「柳」を名称に冠しています 。その後、産業が柳行李から現代のスーツケースやバッグへと移行する中で、この神社は、豊岡の製造技術と伝統の継承を象徴し、「鞄の神様」として崇敬されるようになりました 。

現在も、柳の宮神社を中心とした柳まつりが毎年8月1日・2日に開催され、地域経済団体である商工会議所が事務局を務めるなど、産業の繁栄を祈る祭典としての側面を色濃く残しています 。
旅の安全を祈る「鞄の聖地」へ
小田井縣神社に到着すると、但馬国屈指の古社ならではの威厳を感じました 。この小田井縣神社は但馬五社の一つに数えられており、五社を巡るスタンプラリーもあるようでした。

私の今回の旅の目的は、鞄の神様への参拝と旅の安全祈願でしたので、今回は五社巡りは見送りました。
柳の宮神社と鞄型絵馬
本殿の近くにある柳の宮神社に参拝すると、社殿のすぐ横には、目を引くものが設置されていました。なんと、鞄の形をした鞄型の絵馬です 。

長旅を共にする相棒(鞄)に感謝を込めて、次の旅の安全を祈願できる場所があるというのは、旅人にとって最高です。

古社としての威厳を放つ小田井縣神社本殿
柳の宮神社だけでなく、小田井縣神社の本殿も立派でした。

御祭神は国作大己貴命(くにづくりおおなむちのみこと)。社伝によれば、大神はかつて泥海だった豊岡の地で治水事業を行い、農業開発の基礎を築いた、地方開拓の祖神であると伝えられています 。古くから国中屈指の古社として崇敬されてきたその歴史と風格を感じさせる、古くて立派な建物でした。
思い出の鞄を供養する「鞄供養神事」
柳の宮神社では、年に2回、鞄供養神事が執り行われています 。これは、豊岡鞄協会が中心となり、思い出がたくさん詰まった鞄や財布を全国から集め、感謝を込めて供養する神事です 。
供養された鞄は、単に廃棄されるのではなく、可能な限りリサイクルまたはリユースされるという、現代の持続可能性(サステナビリティ)に配慮した取り組みが行われています 。生産地である豊岡だからこそできる、製造倫理を体現した神事だと言えるでしょう。
供養日は3月12日(財布の日)と、8月1日(柳まつりの日)または8月9日(バッグの日)です 。
参拝者に役立つ駐車場と御朱印情報
実際に参拝してみて駐車場に困ったのでお知らせします。
知らないと入りにくい!境内の駐車場
小田井縣神社は、一見すると敷地入口の大きな鳥居の周辺に駐車場がないように見えます。しかし、参拝者用の車は、この敷地入口にある鳥居を車で通り抜けて、境内の中の広場に駐車することができます。

鳥居を車でくぐれることを知らないと、入りにくいと感じてしまうかもしれません。駐車場は5台以上駐車できる広さがあり、車でのアクセスも安心です。

神職が直筆で書いてくださる御朱印
旅の記念として御朱印をいただくため社務所へ。インターホンを鳴らすと、神社の人が現れ、既に用意されたものではなく、その場で実際に筆で御朱印を書いてくださいました。

旅の相棒への感謝を胸に
豊岡の地で400年以上にわたり受け継がれてきた「柳」の産業の歴史が、現代の「鞄の神様」へと結びついた柳の宮神社。
旅を続ける中で、大切な相棒である鞄への感謝を捧げたいと感じた時、ここはまさに訪れるべき「聖地」です。鞄を愛するすべての旅人、そして豊岡鞄の歴史に触れたい方は、ぜひこの小田井縣神社・柳の宮神社を訪れてみてください。
旅靴を供養できる大阪府豊中市の服部天神の記事はコチラ
小田井縣神社の場所はコチラ
兵庫県豊岡市小田井町15-6

