ホイアン旧市街とランタン

ベトナム中部に位置する古都ホイアン(Hội An)は、その独特な色彩で世界中の旅人を魅了しいます。

街の古い通りを歩くと、目に飛び込んでくるのは鮮やかな「ヘリテージ・イエロー」の壁。黄色い建物と、色とりどりのランタンやブーゲンビリアのコントラストがとても美しい世界遺産古都ホイアン。

ホイアンの街がなぜこれほど黄色に染まっているのか? 今回はこの黄色の街並みを歴史、文化、そして気候の側面から紹介します。  

戦火を逃れた黄金時代の街並み

ホイアンは、15世紀から19世紀にかけて、東南アジア随一の国際貿易港として繁栄しました 。

朱印船貿易の御朱印船の模型
現地にある朱印船貿易の御朱印船の模型

日本、中国、インド、そしてヨーロッパの商船が集まり、異文化が交錯した結果、ホイアンの建築には独自の融合文化が反映されています 。  

貿易の記憶をとどめる伝統建築

ホイアンは戦争による大きな被害を免れたため、16世紀から19世紀の建物が良好な状態で残されています 。

ホイアン来遠橋
独特のフォルムな来遠橋

歴史的建造物の中でも特に目を引くのは、日本のコミュニティによって16世紀から17世紀にかけて建設された来遠橋(日本橋、Chùa Cầu)です 。この橋は、ホイアンの黄金時代を象徴するランドマークとして、400年以上にわたる歴史的修復を繰り返し、今も街の中心に佇んでいます 。  

ホイアン旧市街の街並み
ホイアン旧市街地の街並み

また、街の伝統的な古民家の多くは、陰陽瓦の屋根と木造の骨組みを特徴とする、一階建ての構造をしています 。これらの建築は、かつて富と繁栄を築いた商人の生活文化を今に伝えています 。  

黄色が選ばれた三つ理由

ホイアンの街並みが黄色に統一されたのには、単なる流行ではなく、いくつかの要因があります。

理由①:文化的な繁栄の象徴

黄色(黄金色)は、ベトナム文化において古くから繁栄、幸福、調和を象徴する極めて重要な色です 。

ホイアン旧市街地の街並み
黄色は商売繁盛の色?

風水においても、土の黄色は富と精神性、歴史の永続性を表すとされており 、ホイアンが国際的な商都として栄えた時代、黄色は商売繁盛と富を願う人々の伝統的な色彩として深く根付いていた 。  

理由②:熱帯気候への実用的な適応

ベトナムの熱帯気候は、特に乾季の暑さが非常に厳しいことで知られています 。黄色は明るい色であるため、熱を吸収しにくく、建物内部を涼しく保つ効果があります 。  

ホイアン旧市街地の街並み
黄色と緑の対比が綺麗

さらに、ホイアンの多湿な気候では、壁に緑色の苔やカビが生えやすいという課題があります 。白色の壁であれば汚れが目立ちやすいのに対し、黄色は、この自然に生える苔の緑と「美しい調和」を生み出します 。これは、気候による劣化現象を逆手に取り、街の魅力の一部として昇華させるという、地域固有の知恵です。  

ホイアン旧市街地の街並み
汚れが目立ちにくい黄色

また、雨季の終わりにしばしば起こる洪水の後、泥を含んだ水に浸った壁は非常に汚れてしまいますが、黄色い壁にすることで、汚れが目立ちにくく、頻繁な再塗装の手間と費用を節約する効果もあります 。  

理由③:世界遺産としてのブランド戦略

黄色がホイアンの支配的な色彩となった決定的な要因は、ユネスコ世界遺産登録後の都市計画です。

ホイアン旧市街地の街並み
通りに面した壁は黄色

1999年の世界遺産登録後、ホイアン市は、街の主要な通りに面した建物に対し、黄色に塗装するよう推奨しています 。これは、既存の「黄色い建物が多い」という特徴を強化し、観光客の間で既に定着していた「イエロー・シティ」というニックネーム を都市の公式なアイデンティティとして統一するための、行政主導の景観保全戦略です 。  

ハノイとの比較

ハノイの黄色は、もともとフランス植民地時代に「権威と力」を示すために使われた色でした。いまではその名残として、歴史ある街並みや気品あるヴィラに「クラシックな色合い」として残っています。黄色は、上から下へ(上流階級から庶民)と広まった、まさに「トップダウン型の象徴色」だったと言えるでしょう。

ハノイのベトナム大統領府
ハノイのベトナム大統領府

一方ホイアンでは、黄色は商館や長屋に使われ(水平に広がる)、人々に「繁栄の色」として親しまれました。その後ユネスコ登録をきっかけに、町全体の景観色となり、歴史と観光ブランドをつなぐ存在になっています。

ランタンの光に包まれるノスタルジー

ホイアンの魅力は、その建築物だけにとどまりません。車両の乗り入れが制限された旧市街の通りは、騒音から解放され、「平和で詩的、そして深く精神的」な雰囲気に満ちています 。  

ハノイ旧市街地のランタン
ハノイ旧市街地のランタン密集地帯

特に、旧暦の毎月一度、満月の夜に開催されるランタン祭りは圧巻です。電気の明かりが消され、数千もの手作りの絹のランタンが街路を照らすとき、黄色い壁の街は幻想的な黄金色に包まれます 。  

ハノイ旧市街地の夜のランタン
夜の様子

黄色い壁は、単なる色ではなく、ホイアンの豊かな歴史、気候への知恵、そして現代の都市ブランディングが見事に融合した結果です。

ホイアンの街は東南アジアの中でもナンバーワンといっていいほど綺麗な街でした。
古い街並みのある古都エリア、レストランが集まるエリア、川沿いのエリア、それぞれゾーニングされていて、とても観光もしやすい街でした。ぜひおすすめです!

ホイアンにもラーメン屋がありました。
その記事はコチラ

場所はコチラ

リール動画はコチラ

投稿者 iryota_gram

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