ブハラの旧市街は、中世イスラム建築がほぼ手つかずで残る、ユネスコ世界遺産の街。圧倒的な存在感を放つアルク城の城壁を前に、その歴史の深さに感動しました。しかし、そんな古都の風景の中で、ひときわ異彩を放つ建造物を発見しました。
それが、鉄骨むき出しの武骨なタワー、「ブハラタワー(シューホフの給水塔)」です。一見すると、周りの景色とは全く調和しておらず、何だかボロボロにも見えますが 、そのユニークな姿に惹かれて思わず登ってみることに。
建築マニア必見!「シューホフの双曲面構造」とは?
ブハラタワーは、単なる古い給水塔ではありません。その建築は、ロシアのエンジニア、ウラジーミル・シューホフが考案した「双曲面構造」という革新的な技術が使われています 。

この構造は、まっすぐな鉄骨材を格子状に組むことで、曲面を形成するというもの 。シューホフは、このアイデアを「編んだかごが重いものを支える様子」から着想を得たと言われています 。直線材で構成されるため、材料を最小限に抑えつつも、高い強度と安定性を実現できるという工学的なメリットがあります 。
ブハラタワーは、1929年にこの工法で建設されました 。これは、旧ソ連時代に各地に建てられた約200のシューホフ塔の一つであり、その中でもウズベキスタンに残る貴重な遺産です 。歴史的建造物と並んで立つ姿は、ブハラの街が経てきた、異なる社会のコントラストを象徴しているかのようです。
想像を超える絶景!ブハラタワーから見る360度のパノラマビュー
タワーの内部には、ちょっと古くてドアが一時的に開かなくなるという噂の、スリル満点のエレベーターが設置されています 。そのエレベーターを乗り継いで、最上階の展望台へ。

地上からでは想像もつかないほどの絶景が、目の前に広がっていました。

まず目に入ったのは、先ほどまで見上げていたアルク城の全貌です。地上からは、その分厚い城壁に圧倒されるばかりでしたが、上から見ると、城全体がどのような形をしているのかがはっきりとわかりました。これには、アルク城の中を見学した時よりもはるかに感動しました。

展望台からはアルク城の眺望だけでなく、ブハラの街を360度見渡すことができます。旧市街には高い建物がほとんどないため、空と地上の境目、地平線がくっきりと見えました 。空の青色と地上の土の色とのコントラストも本当に美しかったです。

また、隣接するバラ・ハウズ・モスクの美しい建築も上からじっくりと観察することができました 。
現在のブハラタワー:給水塔から観光施設へ
ブハラタワーは、1975年の火災で給水塔としての役割を終えました 。その後、一時期は放置されたり、レストランとして再利用が試みられたりしたものの、エレベーターの故障で閉鎖されるなど、安定して利用されていませんでした。

しかし、修復作業を経て観光施設として再オープン 。レストランと展望台を合わせた複合施設として利用できるようなのですが、私が訪れた時はレストランは営業してませんでした。

ブハラタワーは、見る人によって「景観を損なう」という意見もあるようですが 、私にとっては、ブハラの歴史を多角的に捉える上で、非常に興味深い存在でした。異なる時代が共存するウズベキスタンの魅力を再発見できた場所でした。
ぜひ、ブハラを訪れた際は、このユニークなタワーに登ってみては。
場所はコチラ
ブハラへはヒヴァからシェアタクシーで来ました。
▼その時の様子はコチラ▼

