デリーチョールバザール

デリー滞在2日目。活気あふれるオールドデリーの象徴、ジャーママスジドの東参道へと足を運びました。そこには、地図には載っていないものの、数千の露天商がひしめき合う巨大な非公式経済の拠点「チョール・バザール(Chor Bazaar)」が広がっています。

チョール・バザールとは?その意外な名前の由来

「チョール」とはヒンディー語で「泥棒」を意味します。しかし、この不名誉な名前の由来には面白い説があります。

デリーのチョールバザール
デリーのチョールバザール

もともとは、売り子の威勢のいい声が響く「ショール・バザール(Shor Bazaar=騒がしい市場)」と呼ばれていました。しかし、イギリス植民地時代に「ショール」の発音を聞き取れなかったイギリス人が「チョール(泥棒)」と聞き間違えたことが、今の名称の定着に繋がったと言われています。

デリーのチョールバザール
色んなブランド品が並ぶ

現代では「泥棒市場」という俗称がありつつも、実際には「カバーリー・バザール(Kabaadi Bazar=ガラクタ市場)」や「サンデー・マーケット」として、リサイクルや二次流通の場として機能しています。

17世紀から続く歴史:ムガル帝国の栄華と共に

このバザールのルーツは非常に古く、1639年にムガル帝国のシャー・ジャハーン皇帝が新都シャージャハーナーバード(現在のオールドデリー)を建設した時代にまで遡ります。

デリーのチョールバザール
ジャーママスジドの向かいにあります

中心にあるジャーママスジドは1656年に完成しましたが、当時からこの周辺は商業の重要拠点であり、禁制品などの秘密の隠れ家的な役割も果たしていました。1857年のインド大反乱で周辺の建物は破壊されましたが、市場としての生命力は失われず、現代まで形を変えながら受け継がれてきました。

平日のバザールの様子:活気と「謎の部品」

火曜日の午前10時頃、実際にバザールを訪れてみました。

デリーのチョールバザール
モスクの高台から市場を眺める

高台にあるジャーママスジドの入り口から見下ろすと、通りの端までぎっしりお店とお客さんで埋め尽くされており、凄まじい賑わいです。主に売られているのは日用品。有名ブランドのロゴが入った靴や服、食器や工具などが所狭しと並んでいます。

デリーのチョールバザール
機械類が集まるエリア

特に印象的だったのは、別の通りに移動した際に見かけた「機械部品」の山です。大小さまざまな部品が地面にそのまま置かれており、まさに「ガラクタ置き場」のような状態。正直「誰が買うのだろう?」と思ってしまうようなものまで売られているのが、このバザールの面白いところです。

日曜日はさらに過熱!驚愕の安売りリスト

実は、このバザールが最も本領を発揮するのは日曜日です。日曜早朝(午前5時〜7時頃)には「これぞチョール・バザール」というべき掘り出し物が並びます。

商品カテゴリ推定価格 (INR)特徴
スマートフォン5,000〜iPhoneや中国製端末の中古・レプリカ
カメラ機材2,000〜Nikon、Canonなどのヴィンテージや中古
ブランド衣料50〜Zara、H&M等の輸出余剰品やリジェクト品
高級バッグ500〜グッチやシャネル等のロゴ入り(真贋は不明)
古本20〜小説や教科書。1kg=100ルピーの量り売りも

※これらには保証は一切ありません。購入には製品の真贋を見極める高度な「目利き」と「交渉力」が求められます。

自動車部品の伝説:自分の部品を買い戻す?

ジャーママスジドの背後にある細い路地は、自動車スペアパーツの専門市場になっています。ここには有名な都市伝説があります。

デリーのチョールバザール
これも売り物なのだろうか

「自分の車の部品を盗まれた持ち主が、数時間後にこの市場を訪れると、盗まれたばかりの自分の部品を買い戻すことになった」という話です。それほどまでに、あらゆる車種のあらゆるパーツが手に入る場所として知られています。

チョール・バザールを安全に楽しむためのヒント

  1. 日曜早朝がベスト
    最高の掘り出し物を見つけるなら、日曜の午前6時台に到着しましょう。
  2. スリに厳重注意
    凄まじい人混みのため、スリが頻発しています。貴重品は必ず体の前面で保持してください。
  3. 交渉は必須
    最初に提示される価格は相場の3〜4倍であることが一般的です。半額以下から交渉を始めるのが鉄則です。
  4. アクセス
    メトロのバイオレットライン「ジャーママスジド駅(Jama Masjid Station)」が最寄りです。2番または3番出口からすぐです。
デリーのチョールバザール
北側からの眺め

まとめ

ジャーママスジドの参道に広がるチョール・バザールは、単なる「泥棒市場」ではなく、デリーという都市の廃棄と再生が交差する、巨大なエネルギーの塊でした。

何かを買う予定がなくても、そのカオスな活気と、過去から現在へと続く歴史の層を感じるだけで、デリー観光の忘れられない1ページになるはず。もし訪れるなら、身の回りの品には十分に気をつけて、インド流の強烈な商売を楽しんでみては。

リール動画はコチラ

投稿者 iryota_gram

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