重慶江北国際空港(CKG)に、2025年4月9日、新たなランドマークとなるサテライトターミナル「T3B」が正式にオープンしました。この巨大なターミナルと既存のT3Aを結ぶのは、「世界初の空港専用カスタム跨座式(こざしき)モノレール」です。
今回は、このT3Bとターミナル間移動で利用するモノレールを紹介します。
突然の「T3B」到着、そこは別世界だった
旅の予定は時に変わるもの。青島からの国内線で重慶に到着した際、案内されたのは聞き慣れない「サテライトターミナル(T3B)」でした。飛行機を降りてまず目に飛び込んできたのは、重慶の底力を象徴するかのような、圧倒的に近未来な空間でした。

T3Bは建築面積約36.3万平方メートルという、単体サテライトとしては世界最大の規模を誇ります 。ここからメインのT3Aへ移動するために、専用の旅客捷運システム(APM)に乗ることになります。
「筒状」の駅舎デザイン
駅に足を踏み入れてまず驚くのが、その意匠です。白を基調とした流線型のデザインが美しく、まるでSF映画のセットのようです。
- 「筒状」の軌道構造
ホームにはモノレールが走るための大きな「筒状の箱(エンクローズド・トラック)」が2本通っています。列車はこの中を走るため、吹き抜けで繋がった広い駅構内でも驚くほど静かです。 - 星空天井とインテリジェント端末
天井には「星空天井(Starry Sky Ceiling)」と呼ばれる、宇宙や雲海をイメージした無数のLED光源が散りばめられています。また、3Dプリント技術で作られた「羅盤箱(コンパス・ボックス)」というUFOのような多機能端末が設置されているらしい。

世界初の「架線レス」モノレールの秘密
ホームドアを通り抜けて乗り込んだ車両は、重慶が誇る跨座式モノレールの最新進化形でした。車両メーカー重慶中車長客がこの空港のために開発したオーダーメイド仕様です。

最も画期的なのは、「スーパーキャパシタ(大容量蓄電装置)」を搭載している点です。
- 給電レールの廃止
従来のモノレールのような給電レール(第三軌条)がありません。車両に積んだ蓄電池で駆動するため、電気的発火のリスクを極限まで抑えています。これは、航空機燃料を扱う空港の地下(駐機場直下)を通過するための安全対策です。 - 圧倒的な静かさと加速
永磁同期モータ(PMSM)の採用により、従来のシステムよりエネルギー効率が約10%向上しており、振動も非常に少なく快適です。
吊り革までこだわり抜かれた先進のインテリア
車内に入ると、そのデザインの細かさに圧倒されます。

- 先進の視覚情報
ドア上部には高精細なダイナミック路線図があり、窓ガラスには透明OLEDディスプレイが搭載され、フライト情報が透過して表示されます。 - デザインの細部
吊り革の一つひとつに至るまで精緻なデザインが施されており、単なる「移動手段」を超えたホスピタリティを感じさせます。

わずか3分、しかし圧倒的な移動体験
T3AとT3Bの間の距離は約2km。このモノレールはGoA4レベルの完全自動無人運転で、わずか3分で両端を結びます。

重慶は「山の街」として知られ、街中をビルの中を突き抜けて走るモノレールが有名ですが、この空港モノレールはその技術をさらに進化させた、まさに「重慶の凄さ」が凝縮されたインフラです。
まとめ:重慶の玄関口で未来を体感
重慶江北国際空港のT3Bとモノレールシステムは、単なる空港拡張ではありません。最新のデジタル技術、3Dプリント、そして環境に配慮したエネルギー技術が融合した、中国が世界に誇るモデルケースなのです。

重慶を訪れる際は、ぜひこの「空港内で完結する近未来の旅」を楽しんでみては。
到着した瞬間から、この街の革新性に圧倒されるはずです。
