【重慶】エレベーターなしの24階建て!?魔幻都市の奇跡「白象居」

重慶白象居

重慶屈指の人気フォトスポットであり、長江ロープウェイ(長江索道)を眺める絶景ポイントとして知られる高層住宅群「白象居(バイシャンジュー)」。

単なるSNS映えスポットにとどまらない、建築史的にも極めて高い評価を受けるこの建物を紹介します!

長江ロープウェイ駅から白象居へ!解放東路の入口からスタート

今回は、長江ロープウェイの渝中(ユーチョン)側の駅から歩いて白象居へ向かいました。 坂道や路地を抜け、到着したのは「解放東路」側に面した白象居の入口です。

解放東路側の白象居入口

一見するとごく通常の道路沿いにある建物入口なのですが、一歩足を踏み入れてみると、道路と同じ高さにあるこの入口は「1階」ではなく、建物の「15階」や「10階」といった中層階にあたるのです。

白象居の共用階
色々なショップが入る空中連廊

このフロアには様々な小さなショップやカフェ、地元のお店が並んでおり、住人と観光客が行き交うにぎやかな空間が広がっていました。道路からそのまま建物に入ったはずなのに、すでに高いフロアにいるという重慶ならではの感覚に、一気に引き込まれます。

エレベーターなしで24階建て!?奇跡の建築メカニズムと歴史

白象居は、単に景色が良いだけの場所ではありません。建築界でも非常に高い評価を受けており、1994年には「重慶市優秀工程設計一等賞」を受賞している名建築なのです。

  • 完成時期:1992年竣工
  • 規模:全6棟(1号楼〜6号楼)、24階建て(総戸数 約590戸)
  • 最大の特徴:エレベーターが1台も設置されてない

24階建てでエレベーターがない理由

白象居が建てられた1980年代当時、ここは近隣の港湾労働者たちのために計画された住宅でした。設備予算が限られていたため、高額なエレベーターの設置や住んでからの維持費をかけることができませんでした。

白象居全景
白象居4~6号棟全景

そこで設計者たちは、崖の傾斜地にある38メートルの垂直高差を巧みに利用した画期的な設計を生み出しました。

「高層を多層に変える」3つの出入口構造

白象居には、標高の異なる3つの道路に直接出られる出入口が設けられています

白象居断面図
AIでつくった白象居の断面図
  • 15階(最上層アクセス):解放東路の道路と水平に接続
  • 10階(中層アクセス):白象街や駐車場に接続
  • 1階(最下層アクセス):長江沿いの浜江路に接続

住民はどの階に住んでいても、上下に数階分階段を移動するだけでどこかの道路へ出ることができるため、24階建てでありながらエレベーターなしで快適に暮らせる仕組みになっているのです

絶景の撮影スポット!3号棟と4号棟を結ぶ「空中連廊」

解放東路側から中に入り散策を進めると、この建物のハイライトである「空中連廊」にたどり着きます。

白象居空中連廊
空中連廊にむらがる観光客

白象居の10階および15階部分には、全6棟の建物を横方向(全長140メートル以上)につなぐ長い廊下が通っています。特に3号棟と4号棟の間をつなぐ空中連廊は、長江ロープウェイを撮影する絶好のフォトスポットとして大人気です。

連絡通路からの眺め

連廊の窓枠がまるで額縁のようになり、その向こうを空中を行き交う長江ロープウェイのゴンドラ、超高層ビル群「ラッフルズシティ重慶」、そして大河・長江が見事に一枚に収まります。

このノスタルジックかつ近未来的な独特の空間美から、たくさんの映画のロケ地としても使われています。

地面はどこ!? 4・5・6号棟から見下ろす重慶の「8D立体迷宮」

空中連廊をさらに奥へと進み、4号棟、5号棟、6号棟の方まで歩いてみました。

白象居
地階が暗闇の底にある

連廊の窓から外を見下ろしてみると、眼下に広々とした「駐車場」のようなスペースが見えます。そこは地面(1階)ではなく、その駐車場の床面の下に、さらに深い空間と建物が続いていました!

一階だと思っていた場所が10階であり、駐車場の下にもさらに階層が存在する、自分が今地上から何メートルの高さにいるのか、「本当の地面が一体どこにあるのか」がまったく分からなくなる感覚に陥ります。

重慶8D都市
白象居に隣接する別のマンションの様子

これぞまさに、重慶が「8D魔幻都市」と呼ばれるゆえんを肌で実感できる瞬間です

訪問時のマナーとまとめ

白象居は現在、世界中から観光客が訪れる人気スポットになっていますが、基本的には「多くの高齢者や住民が暮らしている一般の住宅地」です

重慶白象居空中連廊
空中連廊の店舗

一時期は観光客の急増や露店による通行障害で住民の生活に支障が出たことから見学が制限された時期もありましたが、現在は住民自治組織や行政の協力により、監視カメラの設置やマナー誘導といった管理モデルが整えられ、観光客を受け入れてくれています。

現地を訪れる際は、以下のマナーを守って楽しく散策しましょう。

  • 大声を出さず静かに見学する
  • 住民の通行を妨げない
  • ゴミは必ず持ち帰る

まとめ

  • 白象居は、38mの斜面高低差を活かした24階建て・エレベーターなしの奇跡の高層住宅。
  • 1階・10階・15階の3箇所がそれぞれ道路に通じており、空中連廊で建物同士が結ばれている。
  • 3号棟と4号棟の空中連廊からは、長江ロープウェイと近代都市が交差する絶景が楽しめる。

重慶を訪れた際は、ぜひ長江ロープウェイ駅から足を伸ばし、この奇跡的な建築構造とロープウェイの絶景を体感してみてください!

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投稿者 iryota_gram

大阪府出身の男、サラリーマン。 学生時代から旅を始め、旅歴は約20年。アジアを中心に歩き回っています。 保有資格:二級小型船舶免許、普通二輪免許、二級施工管理技士(建築)

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