【ブハラ】似すぎて困るマドラサ写真の整理!歴史とデザインで見分ける!

ブハラのマドラサ群

ウズベキスタン旅行でヒヴァからサマルカンドへ向かう途中、1泊して立ち寄ったシルクロードの古都ブハラ。街中にはイスラムの高等教育機関であった「マドラサ(メドレセ)」がたくさん残っており、街歩きが楽しい場所です。

日本に帰国してから撮影した写真を整理していると、どれがどのマドラサの写真なのか分からなくなってしまいました。

マドラサはどれも正面に大きなアーチ状の入口(イーワーン)があり、中庭を囲むような構造になっているため、見た目の形式がとてもよく似ているのです。

今回は、ブハラの街中で巡った5つの主要マドラサについて、現場での印象と、建築上の違いを掛け合わせて判別した結果を紹介します。

なぜブハラのマドラサは見分けづらいのか?

マドラサ(神学校)は、中央アジアの伝統的な建築様式に基づいて作られています

ミル・アラブ・マドラサ
マドラサ特有の入口(ミル・アラブ・マドラサ)
  • 大きな正面入口(ピーシュターク)
  • 凹型のアーチ玄関(イーワーン)
  • 中庭を囲むように配置された学生部屋(フジュラ)

このように基本的な構造パターンが決まっているため、写真の「引きのカット」だけを見ると区別がつかなくなりがちです。しかし、細部のモチーフ、色使い、ドームの有無、あるいは建造物のスケールに注目すると、それぞれに特徴が隠されています。

クカルドシュ・マドラサのフジュラ
クカルドシュ・マドラサのフジュラ

ブハラ5大マドラサの識別ポイント

私が見て回った5つのマドラサについて、それぞれの特徴を紹介!

ウルグ・ベク・マドラサ

一番シンプルで洗練された、ブハラ最古のマドラサ

ブハラウルグベグマドラサ
これがオーソゾックス?
  • 現地での印象
    5つのマドラサの中で、結果論として一番シンプルな印象。
  • 建築・装飾の特徴
    1417年にティムール朝の君主であり天文学者でもあったウルグ・ベクによって建てられた、ブハラに現存する最も古いマドラサです。過度な装飾に頼らず、美しい幾何学模様で構成されています。
  • その他の特徴
    コバルトブルーとターコイズを基調とした「星形の幾何学模様」が描かれている。

アブドゥルアズィーズ・ハーン・マドラサ

立体的な派手装飾と、左側の「未完成部分」が最大の目印

アブドゥルアズィーズ・ハーン・マドラサ
未装飾の壁とイーワーンの装飾
  • 現地での印象
    ウルグ・ベク・マドラサの真向かいに立っています。イーワーンの装飾が一番立体的で派手!そして正面左側の装飾が途中で途切れて未完成なのが印象的。
  • 建築・装飾の特徴
    17世紀(1651〜1654年)に建てられたマドラサで、正面のウルグ・ベク・マドラサに対抗するように豪華に作られました。アーチ天井には「ムカルナス」と呼ばれる鍾乳石のような立体的な装飾がぎっしり施されています。
  • その他の特徴
    「鮮やかなレモンイエロー」のタイルが混ざっている。鳳凰や龍など、イスラム建築では珍しい動物のモチーフが描かれている。

ミル・アラブ・マドラサ

スカイブルーの双子ドームとミナレットが目印!

ミル・アラブ・マドラサ
これは一目瞭然!
  • 現地での印象
    ポイ・カラーン広場にあるマドラサ。両脇に輝く「2つの青いドームの塔」がとにかく分かりやすく、一目で識別できます。
  • 建築・装飾の特徴
    16世紀(1530〜1536年)に建設され、現在も神学生が学ぶ現役の教育機関。隣には有名な高さ47メートルの「カラーン・ミナレット」やカラーン・モスクが隣接しています。

クカルドシュ・マドラサ

圧倒的な横幅!まるで巨大な要塞のようなスケール感

クカルドシュ・メドレセ
シンプルで洗練された正面入り口
  • 現地での印象
    今まで見てきたマドラサと比べて、違和感を覚えるほど巨大でダイナミックなマドラサ。
  • 建築・装飾の特徴
    1568〜1569年に建てられた、中央アジアでも最大級(80m×60m)の規模を誇るマドラサ。

ナディール・ディヴァン・ベギ・メドレセ

青い神鳥シムルグと「人面太陽」が舞うインパクト大のモチーフ

ナディール・ディヴァン・ベギ・メドレセ
イスラム教なのに鳥が描かれている
  • 現地でのリアルな印象
    正面のアーチ壁面に描かれた、鮮やかなターコイズブルーと金色の羽を持つ「2羽の神鳥シムルグ」のモザイク画がとても特徴的。
  • 建築・装飾
    1622〜1623年建設。「ラビ・ハウズ(池)」のすぐ東側に位置しています。もともと隊商宿(キャラバンサライ)として作られたものを途中でマドラサに変更したもの。
  • その他の特徴
    鳥の頭上に「人間の顔が描かれた太陽」が輝いている。

まとめ:特徴さえ掴めば写真整理もできるはず

5つのマドラサの見分けるポイントをまとめると

  • シンプルで整然とした幾何学模様 ➔ ウルグ・ベク
  • 立体的な鍾乳石飾りと未完成の左壁 ➔ アブドゥルアズィーズ・ハーン
  • 2つの青いドームとミナレット ➔ ミル・アラブ
  • 規格外の横幅と壁面ニッチ ➔ クカルドシュ
  • 鹿を掴む2羽のシムルグと人面太陽 ➔ ナディール・ディヴァン・ベギ

一見すると同じように見えてしまうブハラのマドラサですが、建設された時代や背景、王朝の違いによって、それぞれ全く異なる個性や見どころがあるようです。

ウズベキスタン旅行の写真を整理する際は、これらのポイントをチェックしてみては。

(※記事内の写真は2019年4月に私が実際に撮影したものを利用しています。)

投稿者 iryota_gram

大阪府出身の男、サラリーマン。 学生時代から旅を始め、旅歴は約20年。アジアを中心に歩き回っています。 保有資格:二級小型船舶免許、普通二輪免許、二級施工管理技士(建築)

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