世界遺産レッドフォート(赤の砦)の正面に広がる「チャンドニー・チョーク(Chandni Chowk)」。一歩踏み入れると、細い路地に活気のある商店がひしめき、リキシャや人々が行き交う「これぞオールドデリー!」という圧倒的な雰囲気です。

一見すると混雑したカオスな市場ですが、1650年にムガル帝国第5代皇帝シャージャハーンの命を受け、皇女ジャハーナーラー・ベーグムによって設計された歴史ある都市計画された空間です。かつては中央に水路が走り、水面に反射する美しい月光から「月光の広場(チャンドニー・チョーク)」と名付けられました。
歩き回るほどに新しい発見があるチャンドニー・チョーク。今回はメインストリートから一歩足を踏み入れた路地エリアなどをご紹介します!
車両規制で快適?熱気あふれる「チャンドニー・チョーク大通り」
レッドフォートを出てまっすぐに伸びるチャンドニー・チョーク通りは、エリアの基軸となる比較的広めの大通りです。

歩いてみると、リキシャや多くの人々が勢いよく行き交う賑やかさ!このメインストリートは自動車やバイクの進入が規制されているエリアになっており、車を気にせず?散策を楽しむことができます。

歴史的には、この大通り沿いにヒンドゥー教、ジャイナ教、シク教、イスラム教、キリスト教など多様な宗教施設が集積しており、「宗教共存の道(Interfaith Mile)」とも呼ばれています。大通りの開放感と人々の活気を肌で感じられる、オールドデリー散策のスタート地点です。
サルが頭上を歩く!衣類と宝飾のカオス空間「マリワラ(Maliwara)」
メイン通りの一本南に位置するのが「マリワラ(Maliwara)通り」です。

二間(約3.6m)ほどの狭い道幅の両サイドには、色とりどりの衣類を取り扱うお店がずらりと並んでいます。人がすれ違うだけでも精一杯な細い通りですが、なんとそこへエンジン付きのリキシャまで強引に割り込んできます!
さらに見上げると、カオスな通りの頭上に張り巡らされた電線をサルが優雅に歩いていて思わずびっくり。あるお店の前ではバーゲンが行われていたのか、まるで日本のデパートのセールで商品を取り合うような熱気あふれる光景も見られました。
このマリワラは、現代では伝統衣装の衣服市場であると同時に、天然石や宝石を取り扱う北インド有数の宝飾卸売拠点でもあります。エリア全体で年間数千億ルピー規模の取引が行われているという、見た目の狭さからは想像できない巨大な商業空間です。
路地に本がうずたかく積まれる「ナイ・サラク(Nai Sarak)」
チャンドニー・チョークから南へと伸びているのが「ナイ・サラク(Nai Sarak)通り」です。

ここはあらゆる書籍や文房具のお店が密集する学術エリア。メインの通りから一歩路地に入り込むと、人と人がすれ違うのがやっとの狭い空間に、天井届かんばかりのたくさんの書物が積まれていました。
学校の教科書や受験対策本、専門書や古書、各種文房具がズラリと並んでいます。人通りが多く活気はありますが、食料品や衣料品の市場とは違い、どこか落ち着いた雰囲気が漂う独特な空間です。
婚礼グッズでギラギラ輝く「キナリ・バザール(Kinari Bazar)」
続いて足を踏み入れたのは「キナリ・バザール(Kinari Bazar)通り」。

ここは冠婚葬祭関連のグッズや貴金属系のお店が集まり、街全体がキラキラ・ギラギラと眩しく輝いている刺激的な通りです。
ヒンディー語で「キナリ」とは衣服の縁取りやレースを意味します。市場内には、インドの伝統的な金銀糸のレース、豪華な刺繍が施された巾着バッグ、結婚式で使われる装飾トレイやバングルなどが溢れかえっています。インドの華やかな結婚式文化の裏側を覗くことができる場所です。
まとめ:エリアごとに異なる顔を見せるオールドデリーの魅力
チャンドニー・チョークのすべてを一度に歩き回ることは難しいですが、エリア内に「衣類」「書籍」「婚礼品」「歴史建築」など、特定の分野に特化した地域や通りが綺麗に分かれているため、どこを歩き回っても全く飽きがきません。

大通りの歩行者天国から一歩路地に入れば、そこには昔ながらの商人文化とインドの人々の力強い日常が息づいています。デリーを訪れた際は、ぜひこのカオスで奥深い「月光の街」を探検してみてください!
※記事内の写真・動画は2024年1月に私が実際に撮影したものを利用しています。
