中国南西部に位置するメガシティ重慶。「山城」と呼ばれるこの街は、GPSが役に立たない「8D都市」「サイバーパンクシティ」として話題です。
昨夜、重慶に深夜到着した私は、翌朝からその街並みを探索することに。較場口(こうじょうこう)と解放碑の間にあるホテルを起点街歩き開始!夜の闇に隠れていた重慶の「重層的な街の構造」が、一気に目に飛び込んできました。
今回は、魔幻スポット「魁星楼」の、そのエグすぎる高低差を紹介します!
解放碑から朝の散策スタート!臨江門の先に現れる「魁星楼」
朝まずは解放碑方面へと歩き出しました。
通りを歩いていくと、重慶軌道交通2号線の「臨江門(りんこうもん)駅」付近に到着。
そこから少し進んだ突き当たりにあるのが、お目当ての魁星楼です。

一見すると、伝統的な風格を持つクラシックなビル。1階には「重慶医科大学附属第二医院(重医附二院)」という大きな病院の施設が入っており、その脇にある階段を上ると、広々とした開けた広場(大唐広場)に出てきます。
広場の周辺には薬局などの医療関係のお店が並んでおり、一見何の変哲もない広場でした。周辺を観察しながら油断して最奥へ進むと、とんでもない衝撃が待ち受けていたのです。
一瞬で脳がバグる、地上22階の断崖絶壁
広場の北端(崖側)にたどり着き、手すりからふと下を覗き込んでみました。
思わず息を呑みました。平坦な地面だと思って歩いていた広場の先は、なんとはるか階下へと垂直に落ちていく断崖絶壁だったのです。
その高さ、実に20階以上(約65〜68メートル)!

何がどうなっているのか、一瞬で理解するのは不可能です。
この魁星楼は急峻な崖に沿うようにして建設された巨大な立体構造物。私が「1階」だと思って歩いていた大唐広場は、崖下から見上げると、病院や立体駐車場の「屋上(22階)」に相当する場所だったのです。

この広場の南端と北端で、これほどまでの高低差が隠されているとは予想だにしませんでした。これぞ、重慶の洗礼。
建築の常識を疑う!? 22階の空中にかかる「恐怖の連絡橋」
さらに驚愕すべきは、この魁星楼広場と、道路を挟んで向かい側にあるビル「高盛創富中心」の22階が、なんと2本の「空中連絡橋(スカイブリッジ)」で直接繋がっている点です。

日本の建築基準や一般的な常識から考えると、高層ビル同士を橋で繋ぐなんて大丈夫なのかと恐怖を感じてしまいます。なぜなら、地震や強風が起きた際、2つのビルはそれぞれ異なる周期で揺れる(層間変位が生じる)ため、橋の接合部に甚大な負荷がかかり、破断する危険性があるからです。
しかし、そこはさすが3D都市重慶。この空中連絡橋は、最新の建築工法で設計されているという。長さ23m、幅4m、地上からの最大高度はなんと約68.5mに達します。

私も恐る恐るこの橋を渡ってみました。はるか下を走る道路や小さく見える車を見下ろすスリルと、橋の構造的なスリルがダブルで押し寄せ、足がすくむような体験でした。
エレベーターを使わずに、歩いて崖下に行ってみた結果
この魁星楼の最下層(嘉陵江沿いの道路)へ行くための最短ルートは簡単です。魁星楼のエレベーターを使うか、あるいは橋で繋がっている隣のホテルのエレベーターを利用して、22階から一気に1階まで降りるだけです。

しかし、私は病院内や向かいのホテルのエレベーター利用をためらい、重慶の真の地形を理解するため、一般道で崖下へ歩いてみました。
これが、想像を絶する過酷なルートでした。

目の前にある「すぐ下の通り」へ行きたいだけなのに、高低差がありすぎて直進することができません。道は蛇行に蛇行を重ね、階段を下り、崖を迂回し、歩き続けることなんと40分以上。ようやく魁星楼の真下(崖下)にたどり着くことができました。

身をもって体験して、痛いほど理解できました。重慶という街において、ビル同士を結ぶ「空中連絡橋」や、ビルを貫く「高速エレベーター」は、単なる観光用のインフラではありません。車やバイクを持たない徒歩の住民たちが、日々の上下移動をスムーズに行うために絶対に必要な「生活に直結したショートカット」だったのです。
水平移動だけでは測れない、垂直の感覚が必要な街
重慶に到着して最初に向かった魁星楼で、私はこの街の「高低差のエグさ」を叩き込まれました。

私たちが普段暮らしている街のように、「ここが地面だから安全」という常識は、重慶では一切通用しません。「地面だと思って歩いていたら、一歩先は地上22階の空中だった」なんて出来事が日常茶飯事なのです。
水平移動(東西南北)の感覚だけでなく、常に「垂直移動(上下・高度)」のZ軸の意識を持って歩く必要がある街、重慶。
街を少し歩くだけで、この「3D都市」が持つ真の凄みと、そこに暮らす人々の驚異的な知恵を、全身で体感できます!
魁星楼のショート動画はコチラ
(※記事内の写真・動画は2025年12月に私が実際に撮影したものを利用しています。)
魁星楼の場所はコチラ
中国地図アプリAmapで見るときはコチラ(PCでは開きません)
