世界中でIT人材が活躍する「IT大国インド」。その熱気を体感できる場所が、ニューデリー南部にあるネルー・プレイス(Nehru Place)です。世界遺産のフマユーン廟を見学した後、デリーメトロに乗ってこの「ITの聖地」を訪ねてみました。
ネルー・プレイスに到着!電脳街の独特な雰囲気
地下鉄を降りてネルー・プレイスの入口へ向かうと、まず目に飛び込んでくるのが「I♡DELHI、CLEAN DELHI GREEN DELHI」のモニュメント。観光客にも人気のフォトスポットです。
当然ながらここも写真を撮ろうと構えてても、ガンガン割り込まれます。

一歩中に入ると、そこは6〜8階建てのビル群に囲まれた広大な歩行者天国になっています。デリーの街中はオレンジ色の暖かい照明が多いのですが、ここは色温度の高い白っぽい照明に照らされており、まるで近未来のバザールに迷い込んだような独特の空気感があります。

日本の秋葉原や日本橋(大阪)のような電脳街からオタク色を差し引いたITに特化した街という感じでした。
「ネルー」の名前の由来と歴史的な始まり
この場所がなぜ「ネルー・プレイス」と呼ばれているのか。その名は、インドの独立運動を導いた初代首相ジャワハルラール・ネルー(Jawaharlal Nehru)にちなんで名付けられました。

もともとこの地区は、1962年の都市計画に基づき、デリー中心部の混雑を緩和するための大規模ビジネス拠点として構想されました。1969年の設立当初は「カルカジ・コンプレックス(Kalkaji Complex)」と呼ばれていましたが、1980年代に現在の「ネルー・プレイス」へと改称され、IT市場としての歴史を歩み始めました。
なぜPCショップがここに集まったのか?
単なるビジネス街が「アジア最大のIT市場」へと進化した背景には、いくつかの歴史的ターニングポイントがあります。
国内IT企業のマグネット効果
1970年代後半、インドIT産業の先駆者であるHCL(Hindustan Computers Limited)やDCM Data Productsといった企業がここに拠点を構えました。これら大企業の存在が関連部品のサプライヤーや修理業者を呼び寄せ、自然とITの集積地(クラスター)が形成されていったのです。
「グレー市場」から世界的な拠点へ
1980年代のインドは電子機器の輸入関税が非常に高く、正規ルートでのPC入手が困難でした。そのためネルー・プレイスは、安価な組み立てPCや中古品、修理サービスを提供する「グレー市場」として市民のニーズに応え、爆発的に拡大しました。1991年の経済自由化以降は、海外の大手ブランドが次々と正規ショールームを構え、現在のような公式と非公式が共生する巨大な電脳街が形成されたのです。

現地のリアル:露店とIT好きがむらがる熱気
ビルの低層階には、小さなITショップがぎっしりと軒を連ねています。狭い通路には、最新パーツやガジェットを目当てに集まったIT好きたちがひしめき合い、その熱量は圧倒的。

正直似たり寄ったりのPC部品屋さんがたくさんあって、それぞれの固定客や、店を回って値交渉している人たちとか、30年前の日本の電気屋街の光景が広がっていました。
広場の一角には露店もたくさん出ており、何でも手に入る「カオスな魅力」があります。

街中のゴミ箱には「WEBPAGE 5枚で3500ルピー(約6,000円)」という格安の制作請負広告が貼られていました。歴史あるデリーの旧市街では絶対に見ることのない、まさにIT全盛のインドを象徴するチラシです。

日本でLPを1ページ制作してもらうのに5万円からが多いので、5ページで6000円は格安。
ネット社会であればインドに外注するのもありかもしれません。
ネルー・プレイスでのグルメとアクセス
散策でお腹が空いたら、エリア内にある日本の牛丼チェーン「すき家(Sukiya)」がおすすめ。ここでラーメンを食べて一息つきました。インド独自の進化を遂げたメニューも楽しめます。
アクセス方法
ネルー・プレイスは交通の便が非常に良く、1日約30万人が訪れると言われています。
- デリーメトロ バイオレットライン
「Nehru Place駅」から直結。 - デリーメトロ マゼンタライン
「Nehru Enclave駅」から徒歩すぐ。 - 営業時間
10:00〜19:00頃(日曜日は定休日のショップが多いが、露店などは営業している)
まとめ
初代首相ネルーの名を冠したこの街は、1960年代の都市計画と、インド人の商魂、そしてIT時代が融合して生まれた「現代のバザール」です。
最新のハイテクと泥臭い修理文化が同居するネルー・プレイスは、今のインドを知れる場所。デリーを訪れる際は、ぜひその熱気を感じに足を運んでみては。
ネルー・プレイスの様子をリール動画で
(※記事内の写真は2024年1月に私が実際に撮影したものを利用しています。)


