イスラエル旅行のハイライトのひとつ、死海(Dead Sea)。
今回はその死海沿岸にある美しいリゾート地エンボケック(Ein Bokek)を冬に訪れ、真冬のビーチでプカプカ海に浮かび、本を読もうと試みた話です。
世界で最も低い場所、死海とは?
死海は、海抜マイナス約430メートルという、地球上で最も低い地点にある湖です。塩分濃度は海水の約10倍とも言われ、誰でも簡単に浮かぶことができる不思議な体験が可能なことで有名です。

その極端な塩分のおかげで魚は住めず、「死」の海という名がつけられましたが、そのミネラル豊富な泥や空気は美容・健康効果でも世界的に知られています。
エンボケックとは?整備されたリゾート地の魅力
エンボケックは、死海の南西岸に広がるリゾートエリアです。高級ホテルが並び、観光客向けの設備が整っているのが特徴で、快適に死海を楽しみたい人には最適の場所です。

私が訪れたのは冬。泳ぐには寒い季節ではありますが、エンボケックのパブリックビーチは開放されており、海に入ることも可能でした。

すでに死海で泳いでいる先行者発見。写真右側の人の様に、海に浮かびながら本を読むというのが死海の定番。

干上がった海の底部分。白く見えるのが塩。
死海は年々水位が低下している。死海に流入する河川から飲料用や農業用水として水を取水していることにより、死海に流入する水量が減り低下しているようです。現在は年間1mのペースで低下しているようで、中央アジアのアラル海と同様に消滅の運命をたどっています。
パブリックビーチの設備の紹介
無料のシャワー

ぶら下がっている取手を引っ張ると勢いよく冷水が噴き出します。
更衣室完備

ビーチには数か所簡易的な更衣室があります。更衣室というより、周りから見えないように板で覆われた簡素なスペース。
売店(バス用品・スナック・水着など)

ビーチ内にある海の家的な存在。水着やらシュノーケルといった海水浴グッズや、死海の食塩や泥パックといった食料品や美容品などの土産物まで、手ぶらで死海を体験でき、お土産まで買える万能ショップ。
観光客がふらりと立ち寄っても、不自由なく過ごせる設備が整っています。海に入らなくても、足を浸けたり、死海の泥を塗ってみたりするだけでも貴重な体験になります。
陸側の風景にも注目
海とは反対側には、赤茶けた岩山が連なる絶景が広がっています。死海の静けさと対照的な、荒々しい自然の力を感じる瞬間。

魚も住めない海と、草木が生えない山岳地帯、生物が生存するには過酷すぎる環境の中にあるリゾート地。とても人間らしい光景が広がっています。
エンボケック vs エンゲディ:どう違う?
同じ死海沿いに位置するエンゲディ(Ein Gedi)も有名な観光地ですが、それぞれに違った魅力があります。
エンボケックは、快適なホテルやスパが立ち並ぶ観光向けのリゾート地で、整備されたビーチや施設が充実しています。
一方のエンゲディは、自然保護区に隣接した自然体験型のスポットで、トレッキングや野生動物との出会いが魅力です。
エンボケックとエンゲディ、どちらへ行こうか迷っている方は参考に。
静かな季節だからこそ味わえるエンボケックの魅力
結局、冬のエンボケックで泳ぐことを諦めた私。死海で浮かびながら「地球の歩き方」を読む目標はあっさり撤回。しかし死海を目前に穏やかな時間を過ごすにはぴったりの場所でした。しっかり整備された設備、リゾートらしい雰囲気、そして何より人間の生命力の強さを感じられる景色。冬は冬で楽しめる死海でした。

今度死海へ行く機会があれば、エンゲディへ行ってみようかと思います。
場所はコチラ
西エルサレムのセントラルバスターミナルからユダヤ系バスが出ています。
このバスは途中エンゲディやマサダ要塞を経由してエンボケック向かうのでとても便利です。